NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th改組されており、設立以来、一貫して、NEDOが事務局を担っています。 また、NEDOはスタートアップ支援を強化するために、他機関との連携を推進しています。例えば、国内の13大学と個別に協力協定を締結しており、自治体等も含め、新産業創出に向けた協力体制を構築しています。2020年7月には、スタートアップ支援を行う政府系9機関での連携協定を締結し、ワンストップ相談窓口を構築する他、各機関の強みを生かして事業ごとの連携を図るなど、シームレスなスタートアップ支援を実施することとしています。これらの連携を通じて、NEDOは研究開発型スタートアップに対する支援のハブとなりながら、オープンイノベーションの取り組みを推進しています。スタートアップ支援の進化と イノベーション創出を加速 NEDOがこれまで支援してきた中小企業・スタートアップ数は、2020年4月現在で、2,000社を超え、そのうち24社がIPOを果たしており、その時価総額の合計は8,856億円にのぼります。NEDOの支援制度自体も、中小企業・スタートアップが実施する研究開発の実用化への支援のみならず、スタートアップ・エコシステムの構築の一端を担うべく、着実に進化しています。 2018年度から始まったNEDOの「第4期中長期計画」では、取り組みの3本柱の1つに「研究開発型スタートアップの育成」が位置付けられました。また、2020年7月に閣議決定された「統合イノベーション戦略2020」でも、研究開発型スタートアップに対する大規模な資金支援を行うことがうたわれており、NEDOは引き続き「研究開発型スタートアップ支援事業」などを実施することで貢献していきます。 2020年は、新型コロナウイルス感染症により社会は大きく変化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速など、新たな社会ニーズも生まれています。ビジネス環境の変化はイノベーション創出の機会でもあり、NEDOは社会のニーズをくみ取りながら、これからもスタートアップ支援を進化させ、日本のイノベーション創出を加速していきます。 例えば、身体機能を補助する世界初の装着型サイボーグの開発などを手がけるCYBERDYNE株式会社など、既に新規株式公開(IPO)をしている企業も含まれています。また、構造タンパク質素材の開発を行うSpiber株式会社や排泄予知ウエアラブル機器を開発したトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社、パーソナルモビリティの開発を手掛けるWHILL株式会社のように、NEDOの支援制度を活用し、大手企業との連携や商品化に成功している企業も選定されており、いずれも今後のさらなる飛躍が期待されます。オープンイノベーションの 推進で新たなビジネス創出 国際競争が激化し、世界的にオープンイノベーションの取り組みが拡大する中、日本が技術をベースにしたイノベーションでグローバル市場をリードするためには、革新的な技術シーズの創出に加えて、外部の技術・アイデア・資源を活用するオープンイノベーションの推進により、新製品や新たなビジネスモデルの創出に繋げていく必要があります。そこで、2015年2月に、経済産業省が主催し、オープンイノベーションの推進事例の共有や啓発普及活動、政策提言などを実施することを目的に、民間事業者を中心メンバーとする「オープンイノベーション協議会」が設立されました。その後、同様のオープンイノベーション推進機関の統合などを経て、「オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会(JOIC)」として米国・グローバル展開を希望する研究開発型ベンチャー向けに、ベンチャーキャピタルなどを招いて米国カリフォルニア州で開催した「Silicon Valley Immersion Program Autumn 2016」の様子48 NEDO 40年史

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