NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 1  Part 2  NEDO40年の沿革 NEDO 40年史 576月 小惑星探査機「はやぶさ」帰還3月 東日本大震災が起き、東京電力福島第一原子力発電所で事故が発生7月 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)開始12月 中国でPM2.5による汚染が深刻化9月 御嶽山が噴火10月 青色LEDの研究により赤﨑勇氏、天野浩氏、中村修二氏がノーベル物理学賞を受賞11月 パリで同時多発テロ事件>> 世の中の動き201020112012201320142015設立30周年に「グリーン・イノベーション・フォーラム」を開催、パネルディスカッションなどで議論を深めた(2010年)「イノベーションで拓く明るい未来」をテーマに成果報告などが行われた「NEDO FORUM」(2015年)TSCによる技術戦略レポートの紹介や技術開発の方向性についての討議などが行われた「NEDO『TSC Foresight』セミナー(第1回)」(2015年) 世界各国で環境意識が高まる一方、2008年、サブプライムローン問題に端を発した米国の金融危機が世界経済にも影響を与えます。日本もその影響を受け経済が低迷する中、2009年に「新成長戦略(基本方針)」が閣議決定され、環境問題の解決を経済のエンジンにするため、2010年にはグリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略などで構成した「新成長戦略 ~『元気な日本』復活のシナリオ~」が発表されます。ところが2011年3月に東日本大震災が発生し、東日本の広範囲に大きな被害をもたらしました。震災が日本経済にも打撃を与える中、GAFAに代表される巨大プラットフォーマーの活躍や中国企業の台頭など、様々な要因が重なって、日本産業界はさらなる成長を求められていきます。  こうした中でNEDOは「第3期中期計画」(2013~2017年度)をまとめます。企業による中長期的な研究やオープンイノベーションの加速に向けて、技術開発マネジメントの中心的機関としての役割や重要性の高まりを受け、世界最先端の技術開発マネジメント機関を目指すことを打ち出しました。そして、これまでの研究評価業務を通じて、プロジェクトの成否を担う重要な要素として、プロジェクト構想段階の入念な事前検討の必要性が鮮明になったことから、2014年4月にNEDOは新たに「技術戦略研究センター(TSC)」を設立し、国内外の産業技術やエネルギー・環境技術動向を分析して重点分野を絞り込み、さらに分野ごとの技術戦略とプロジェクト構想を作成する体制を整えました。 2014年度は他にも、オープンイノベーションに向けてさらなる研究開発型ベンチャー企業の支援を打ち出すため、「技術開発推進部」を「イノベーション推進部」に、また、ロボット産業の拡大を見据え「ロボット・機械システム部」を新たな部として設立し、速やかに時代の変化に合わせた体制の構築を進めました。先を見据えた技術戦略で、社会の課題解決に挑む2014年 「技術戦略研究センター」設立 2015年4月、独立行政法人通則法の一部を改正する法律などの施行に伴い、「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」に改称しました。 この頃、世界的に産業分野などへのIoT(Internet of Things)技術の浸透が進み、深層学習の実用化に伴い第3次AI(人工知能)ブームが起き、世界は第四次産業革命の時代に突入していきます。そこでNEDOはこうした世界の潮流を取り込み、2016年4月に「IoT推進部」や「ロボット・AI部」を発足しました。 2017年、国の「未来投資戦略2017」では、IoTやAI、ロボットなどの技術を活用する「Society 5.0」や「Connected Industries」への変革が指摘されました。NEDOは「第4期中長期計画」(2018~2022年度)で、これらの技術を中心に日本が強みを持つものづくり技術との融合を目指し、スタートアップ支援なども含めてイノベーションの社会実装を加速する方針を明らかにしました。イノベーションを創出し、パラダイムシフトのその先へ2015年 「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」に改称

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