NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 1  Close-up  技術戦略研究センター誕生 NEDO 40年史 63社会ニーズ起点のテーマ抽出技術シーズ起点のテーマ抽出バックキャスティング重点課題抽出社会的課題社会要請各技術分野に関わる社会的重点課題社会課題抽出STEP 1戦略策定対象となる技術分野の優先順位プロジェクトテーマの作り込みプロジェクト対象課題日本のポジションフォーキャスト型ロードマップとの対比分析STEP 4技術開発課題抽出STEP 5技術分野抽出STEP 3ポジション分析による分野絞り込みSTEP 6技術力プレーヤー市場規模達成時期技 術数値目標既存ロードマップとの技術照合過去の外挿では見えない技術ギャップの発見STEP 2フォーキャスティング (NEDO・大学・学協会等) バックキャスティング手法の一例として、TSCでは、グローバルな社会課題を構造的に理解し、その解決に向けた打ち手を多様なステークホルダーとのコミュニケーションを通じて探索する「社会課題起点の技術ツリー図」を独自に作成し、技術戦略などの検討に活用しています。さらに、既存市場におけるグローバル企業の技術・市場競争力を分析する「国際競争ポジションバルーンマップ」調査を継続的に実施しており、欧米・中国などとの対比において、日本企業のおかれたポジショニングについての客観的データに基づく分析を行っています。ガイドライン・人材育成ツールなどの基盤整備 こうしたプロセスの実現や実行性を高めるための基盤整備として、TSCは各種ガイドラインの整備や人材育成にも取り組んでいます。例えばガイドライン整備として、TSCは開発技術を社会実装する上で重要な標準化に係る「標準化マネジメントガイドライン」の策定や、過去のプロジェクトマネジメントの教訓などをまとめた「研究開発マネジメントガイドライン」を策定し、NEDO内外での普及を進めています。また、これらを実践する人材の明確化とその育成のため、2014年度に研究開発マネジメント業務に対してプロジェクトマネージャー(PM)制を導入するとともに、組織的、体系的なPM人材の育成に向けた独自の人材育成手法の実践として、「PM育成講座」 「産業技術総合研修」などを実施しています。予見困難な不確実性の高い時代に向けて 現代は予見困難な不確実性の高い時代といわれており、自ら将来像を設計・提示しつつ、その実現・実践に向けた取り組みを行うことが重要とされています。そのため、産業技術政策上でも、NEDO TSCへの期待は高まっていると言えます。NEDOはこの期待に応え、実行性のある活動につなげるべく、さらなる業務プロセスの改善や全ステークホルダー間での合意形成に注力しつつ、ミッション実現に向け取り組んでいきます。▶ オールキャスティング型アプローチでプロジェクトテーマを作り込む

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