NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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NEDO 40年史 5 2011年3月11日、突如発生した「東日本大震災」は東北地方を中心に未曾有の被害をもたらしました。これまで、経済産業省として、原発事故によって特に大きな被害を受けた福島県浜通り地域などにおいて新たな産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の実現に向け、ロボット、エネルギーなどの分野の拠点整備を進めてきました。これにあたり、具体的には、ドローンの社会実装に向けた性能評価基準の策定や運航管理システムの技術開発といった取り組み、世界最大級の再生可能エネルギー由来の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド」における実証などの面で、NEDOに大きく貢献いただいています。こうした大変重要な福島復興においても、引き続きNEDOの活躍に期待しているところです。 2020年には新型コロナウイルス感染症が世界中で爆発的に流行しました。その影響で社会の様式はかつてないほど著しく変化を遂げております。日本も例外ではありません。NEDOでは、コロナ禍で急増した「遠隔・非対面・非接触」での宅配の需要に対応すべく、自動走行ロボットを活用した新たな配送サービスの技術開発に着手しており、住宅街などで走行の実証を行うまでに至っております。 また、新型コロナウイルス感染症による経済の低迷下においても、新たな産業の担い手であるスタートアップがついえないよう、リスクマネーを提供し、支援に取り組んでいただいております。こうした日々変化する社会の課題に迅速に対応いただくことについても、NEDOに期待しているところです。 NEDOが日本の誇る政策実施機関として、これまで積み上げてきた実績をベースに、今後も、エネルギー・環境問題や福島復興、コロナ禍後の「新しい社会様式」の確立などの社会的課題の解決につながる研究開発を主導し、イノベーションの実現に中心的な役割を果たしていくことを、強く祈念いたします。2021年3月吉日

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