NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th72 NEDO 40年史 5. 次世代バイオ燃料(バイオジェット燃料)分野 [ 2020年7月策定 ]バイオ燃料は、運輸部門のCO2削減への寄与が期待されています。特に、既存の燃料製造インフラ設備とより親和性が高い、酸素を含まない炭化水素系燃料である次世代バイオ燃料(バイオジェット燃料と水素化植物油)の普及が重要とされています。燃料以外の高付加価値製品の併産も意識した製造プロセスを中心に、技術課題や必要とされる技術開発についてまとめました。【活用事例】 バイオジェット燃料生産技術開発事業(2017〜2024年度)❖ 環境・化学分野1. 地球環境対策(フロン)分野 [ 2015年10月策定 ]代替フロンの主用途は冷凍空調機器の冷媒です。今後の冷媒においては、地球温暖化防止と省エネルギー・高性能の両立が重要な前提条件となります。そこで、次世代冷媒となるさらなる低GWP(地球温暖化係数)冷媒の開発や関連する機器に関する技術戦略を策定しました。また同時に、最新の技術開発動向と普及に向けた課題をまとめました。【活用事例】 省エネ化・低温室効果を達成できる次世代冷媒・冷凍空調技術及び評価手法の開発(2018〜2022年度)2. リサイクル促進(重要金属)分野 [ 2016年12月策定 ]小型廃家電製品を対象に、低コストで高効率な金属のリサイクルによる希少金属資源の生産を可能とする革新的な物理選別技術と化学分離技術に関する技術戦略を策定しました。併せて、最新の技術開発動向と、資源・材料の採取・加工・生産・流通と回収・リサイクルを連携させてバリューチェーンを形成する「動静脈連携」を強化する情報、制度、社会システムの構築に向けた課題をまとめました。【活用事例】 高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業(2017〜2022年度)3. 化学品製造プロセス分野 [ 2016年12月策定 ]国内の化学産業における製造プロセスの開発においては、大幅な省エネルギー革新や国際競争力の強化が必要とされています。高度な膜分離技術による「反応分離」「溶媒分離」「生成物の選択分離」など、エネルギー多消費プロセスへの適応に向けて技術戦略を策定しました。加えて、最新の技術開発動向と普及に向けた課題をまとめました。【活用事例】 二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(2014〜2021年度)4. バイオマスからの化学品製造分野 [ 2017年11月策定 ]持続可能な低炭素社会の実現に向け、CO2を固定化した「バイオマス」からの化学品製造が注目されています。非可食かつ未利用のバイオマスを利用した付加価値の高い化学品の原料成分の抽出について、特に改質リグニン、ヘミセルロースなどの抽出に関する技術開発についてまとめました。【活用事例】 (内閣府)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/ スマートバイオ産業・農業基盤技術(2018〜2022年度)5. 機能性化学品製造プロセス分野 [ 2019年2月策定 ]機能性化学品分野は今後も成長が期待されています。これまで行われてきたエネルギー多消費で多くの共生成物を排出するバッチ法を、日本が強みを有する不均一系触媒技術を生かした省エネルギーで効率的なフロー法に置き換えることで、革新的な生産プロセス技術が創出できます。こうした開発を進めるための技術戦略を策定するとともに、最新の技術開発動向と普及に向けた課題をまとめました。【活用事例】 機能性化学品の連続精密生産プロセス技術の開発(2019〜2025年度)6. 資源循環(プラスチック、アルミニウム)分野 [ 2019年11月策定 ]資源循環分野において、生産量、CO2排出削減効果、調達リスクの観点が重要となっています。多用されるプラスチックとアルミニウムを抽出し、アップサイクルを含め高度にリサイクルする技術の開発や回収されたリサイクル材の品質向上、サプライチェーン全体の最適化について技術戦略を策定し、最新の技術開

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