NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  技術戦略活動 NEDO 40年史 73発動向と普及に向けた課題をまとめました。なお、高度化された資源循環の取り組みを「3R+」と名付けました。【活用事例】 革新的プラスチック資源循環プロセス技術開発(2020〜2024年度)❖ バイオエコノミー分野1. 生物機能を利用した物質生産分野 [ 2017年2月策定 ]遺伝子解析に用いる次世代シーケンサー装置、遺伝子やその発現系に関わるオミクスデータ解析、新しいタイプの遺伝子改変技術であるゲノム編集など、技術の進歩により細胞内プロセス設計や、設計に基づいた遺伝子改変による生物生産の効率化が可能となりました。情報解析技術、遺伝子改変技術を中心とする基盤技術と当該技術を用いた植物、微生物における物質生産についてまとめました。【活用事例】 植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発(2016〜2020年度)2. 生物機能を利用したデバイス分野 [ 2017年11月策定 ]生物は目的物質を少ない消費エネルギーで特異的に検出することや、複雑な化合物をワンステップで合成することが知られています。近年のバイオテクノロジーの著しい発展を受け、生物機能を電子・機械システムなどと融合させて利用する「リビングデバイス」の産業活用について、世界市場、技術動向と今後の活用領域、技術課題をまとめました。【活用事例】 IoT社会実現のための革新的センシング技術開発(2019〜2024年度)3. 微生物群の利用及び制御 [ 2019年3月策定 ]自然環境では、多様な微生物が複雑なネットワークを形成し、微生物群という集団として特定の機能を果たしており、その機能は様々な産業への適用が可能です。本戦略では代表的適用先である「健康維持」「持続的耕地利用」「水資源管理」における微生物群利用技術の国内外の動向と課題をまとめました。【活用事例】 (内閣府)戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)/ スマートバイオ産業・農業基盤技術(2018〜2022年度)4. バイオプラスチック分野 [ 2019年11月策定 ]プラスチックごみによる世界的な海洋汚染やパリ協定が課題となっています。その解決に当たり、日本の産業競争力のさらなる向上を目指し、日本が強みを持つ発酵などの微生物機能を活用した生分解性バイオマスプラスチックやセルロースナノファイバー(CNF)など、新素材開発に必要とされる技術開発、技術課題をまとめました。【活用事例】 海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業(2020〜2024年度)❖ 新領域・融合(ゼロエミ農水連携)分野2020年4月に、農林水産分野における持続発展可能な社会システムの構築に向け、活動を開始しました。農林水産省・経済産業省を含む関係者と広く連携を図り、エネルギーシステムやバイオプロセス技術などの知見を活用します。温室効果ガス(GHG)削減に向けた農林水産分野における革新的イノベーション技術と緊急事態対策に資する国内農林水産物サプライチェーン強靭化との融合など、技術提案へ向けて活動を展開しています。

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