NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  エネルギーシステム分野エネルギーシステム技術 NEDO 40年史 77❖ 固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発 [ 2010〜2014年度 ] 固体高分子形燃料電池の本格商用化に要求される低コスト化・信頼性向上と国際標準化の推進などに寄与する基盤技術開発、市場拡大・普及促進などに寄与する実用化技術開発、革新的な低コスト化・信頼性向上などに寄与する次世代技術開発を総合的に推進しました。また、これらの技術・研究開発における一層のブレークスルーを促すため、産学連携やシステム、材料・部品などの垂直型連携体制によって、燃料電池セルスタックの反応・劣化メカニズムの解明、革新的な材料開発、解析・計測技術の開発などの基盤技術を確立しました。❖ 固体酸化物形燃料電池等実用化推進技術開発 [ 2013〜2019年度 ] 民間企業が主体になって、家庭用燃料電池システム「エネファーム」の本格普及を想定した際に必要となる、低コストと高耐久性を両立した固体酸化物形燃料電池スタック、固体酸化物形燃料電池システムの開発を進めました。本事業では、前半の2013~2017年度ではこれら民間企業の開発を加速させるために共通基盤技術として、4万時間を見通す耐久性迅速評価方法を確立しました。また、業務用固体酸化物形燃料電池の実証試験を行い、実用化に向けた課題を抽出しました。後半の2017~2019年度には、業務用固体酸化物形燃料電池のさらなる導入普及の拡大を図るためにモノジェネレーション用途も視野に入れ、発電効率65%以上(LHV:低位発熱量基準)という従来以上の高効率化を目指した燃料電池システムの開発指針を創出しました。❖ 固体高分子形燃料電池利用高度化技術開発 [ 2015〜2019年度 ] 日本が世界に先駆けて市場投入したFCVの着実な普及拡大を図るとともに、日本の技術的優位性を維持するため、2030年頃までに市場投入が見込まれるFCV用に実装される材料などに関する設計指針を検討しました。具体的には、普及拡大化基盤技術開発として、燃料電池の劣化や性能向上などと、材料の構造変化などを関連付けて膜・電極接合体(MEA)の評価手法と設計指針の構築に取り組みました。また、プロセス実用化技術開発として、燃料電池の生産性を向上させるための実証研究を支援しました。 ❖ 燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業 [ 2020〜2024年度 ] 世界に先駆けて市場導入を開始した日本の燃料電池技術の競争力を強化し、世界市場において確固たる地位を確立することを目的として、2030年以降の自立的普及拡大に寄与する高効率、高耐久、低コストの燃料電池システム(水素貯蔵タンクなどを含む)を実現するための産業界のニーズに基づく協調領域の基盤技術を開発します。また、従来以外の用途に展開するための技術開発や大量生産を可能とする生産プロセス、または検査技術の取り組みを支援します。図2◉ 普及が進む「エネファーム」

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