NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
83/288

Chapter 2  エネルギーシステム分野エネルギーシステム技術 NEDO 40年史 81 最近10年の主なプロジェクト❖ 安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発 [ 2011〜2015年度 ] 再生可能エネルギーの導入量拡大時における電力系統安定化ニーズの高まりを背景として、本プロジェクトでは、電力系統全体の需給バランス調整や周波数変動調整などに適用する蓄電システムを開発しました。プロジェクトの主な開発目標は、エネルギー効率80%以上、コストについては需給バランス調整用で2万円/kWh以下、周波数変動調整用で7万円/kW以下、寿命20年以上、誤動作や内部短絡による安全性の確保、となります。 本プロジェクトにはLIB、ニッケル水素電池、鉛蓄電池、フライホイールを用いたMW級蓄電システムの実用化を目指す7つの企業グループが参加し、各蓄電デバイス・システムの安全性向上、長寿命化、低コスト化などを図る要素技術の開発に取り組むとともに、その成果を盛り込んだ実証システムを日本、米国、英国、スペインの電力系統に設置してフィールドテストを行い、効果を検証しました。❖ リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発 [ 2012〜2016年度 ] 2000年代後半、日本の自動車メーカーはLIBを搭載した電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド自動車(PHEV)を世界に先駆けて市場投入しました。しかしその価格・スペックは、多くの自動車ユーザーにガソリン車からの乗り換えを訴求するレベルに到達していませんでした。そこで、本プロジェクトにおいて、EV、PHEVの価格・スペックの支配因子となっている車載バッテリー用LIBの低コス図7◉ 電力系統安定化において蓄電池が担う役割0.5MW-0.8MWh級システム(GNF・マドリード州変電所に設置)2MW-0.8MWh級システム(Duke Energy・オハイオ州発電所に設置)図8◉ 東芝エネルギーシステムズが開発したリチウムイオン電池・蓄電システム図9◉ 日立製作所・昭和電工マテリアルズが開発した鉛蓄電池-LICハイブリッド蓄電システム鉛蓄電池リチウムイオンキャパシタ

元のページ  ../index.html#83

このブックを見る