NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th84 NEDO 40年史 現状と課題転換期迎えた車載バッテリー技術  2019年のEV・PHEVの世界販売は約210万台と過去最高を記録し、保有台数は累計で約720万台となりました。しかし、自動車全体に占める割合は販売台数で2.6%、保有台数で0.6%であり、まだ身近な存在にはなっていません。消費者意識として、EV・PHEVが環境性に優れ、維持費(燃料コスト)が安いといったメリットは浸透しつつも、航続距離、充電時間、新車価格・中古車下取り価格、スタイリング・車内空間の物足りなさなど、マイナスのイメージが数多く存在します。 一方、環境・エネルギー問題の深刻化を背景に、主要国は自動車の燃費規制・排出ガス規制を強化すると同時に、自動車メーカーに一定比率以上のEV・PHEVの販売を義務付ける政策を推進しています。加えて、段階的にガソリン車の販売を禁止する政策を打ち出している国もあり、今後、EV・PHEVの飛躍的な普及が予想されます。例えば、国際エネルギー機関(IEA)は2040年の世界販売に占めるEV・PHEVの割合が35%以上になるとの普及シナリオを示しています。 大手自動車メーカーもEV・PHEVの大胆なモデル拡充やセールスミックス計画を競うように公表しています。これに追従し、中国・韓国の蓄電池メーカーはLIBの生産設備投資を精力的に進めています。特に中国政府の手厚いEV・PHEV図17◉ プロジェクトにおける新材料評価の流れ図19◉ 全固体LIBへの期待図18◉ 先進LIBの標準電池モデル図20◉ 開発中の全固体LIBの標準電池モデル(単層ラミネートセル)

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