NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  エネルギーシステム分野エネルギーシステム技術 NEDO 40年史 89の送電網の整備状況などによっては、洋上で長距離送電した上で、接続可能量を持つ陸上の電力系統に直接接続する必要があります。本事業は、高い信頼性を備え、かつ低コストで複数の洋上風力を電力系統へ接続することを目的にし、電力会社や複数のメーカー、大学によるコンソーシアムを構成しました。結果として、マルチベンダー化にも対応した多端子直流送電システムと、それに必要な要素技術を開発し、目標である「交流送電システムと比較してコスト20%削減」を大幅に上回る成果を達成しました。❖ 電力系統出力変動対応技術研究開発事業 [ 2014〜2018年度 ] 風力発電や太陽光発電は天候によって発電出力が大きく変動するため、大量に電力系統に接続された場合、電力の安定供給に悪影響を及ぼす可能性があります。NEDOは産学官の連携推進体制を構築し、これまで対応できていなかった風力発電の急激な出力変動の予測技術や、出力変動を抑制する出力制御技術を高度化させ、発電予測と出力制御を踏まえた需給運用の基本的な手法の開発と実証を行いました。また、風力と太陽光発電の遠隔出力制御システムの設置義務化への迅速な対応のため、システムの高度化とともに発電事業者の出力比率に応じて決定するための出力制御手法の開発と実証を行いました。陸上変電所陸上変換所洋上変換所洋上変電所洋上変換所洋上変電所洋上変換所洋上変電所陸上変電所陸上変換所電力系統交流送電直流送電直流遮断器10km270km210km150km● 洋上WF想定位置● 陸揚げ地点または陸上変換所● 陸上連携点 ケーブルルート図27◉ 多端子直流送電システムのイメージ図28◉ 「次世代洋上直流送電システム開発事業」で想定した送電ルート変動電源(太陽光)変動電源(風力)広域連携調整電源太陽光発電蓄エネ設備需要原子力発電系統用蓄電池揚水発電火力発電蓄エネ設備風力発電給電指令所予測予測制御制御運用運用風力発電のランプ現象に着目し、予測技術を最適化出力変動制御技術の最適化と遠隔制御技術の開発再生可能エネルギーの大量導入を踏まえた需要運用の最適化図29◉ 「電力系統出力変動対応技術研究開発事業」の全体像図30◉ 開発した技術の実証のため設置した風力及び太陽光発電設備(東京都新島村)< 阿土山風力発電所 >< 大原太陽光発電所 >図31◉ 発電量の予測情報に基づく制御技術を用いた圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES:Com -pressed Air Energy Stor-age)システムの実証施設

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