NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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40th92 NEDO 40年史 太陽光発電歴史と背景高効率化と低コスト化が進展 日本における太陽光発電に関する本格的な技術開発は、1973年の第1次オイルショック後、通商産業省(現在の経済産業省)が石油代替エネルギーの技術開発に取り組んだ新エネルギー技術研究開発の長期計画、通称「サンシャイン計画」から始まりました。  NEDOは、1980年の設立時からサンシャイン計画の推進を担う機関として太陽光発電技術の開発に取り組んできました。それまでサンシャイン計画で取り組んでいたシリコン材料の開発や結晶シリコン系と化合物系太陽電池の開発を引き継ぎ、低コストシリコン材料の開発、角形キャストウエハ作製技術などのシリコン基板作製技術開発、実用化を支えるための技術開発を推進しました。  当時の太陽電池は、電卓などの民生用製品や独立電源として一部実用化していたものの、電力用途として一般に普及するためには、さらに低価格化を進める必要がありました。  NEDOは、太陽光発電のさらなる普及と太陽光発電産業の持続的成長を実現するための技術開発指針として、2004年に「太陽光発電ロードマップ(PV2030)」を策定、2009年には技術課題にとどまらず、2050年までを見据えたシステム関連課題や社会システムなども盛り込んだ改訂版「PV2030+」を発行し、それに基づいて技術開発を行ってきました。 その後、2012年に固定価格買取制度(FIT制度)が始まってからは、太陽光発電の導入は加速し、日本における太陽光発電の大量導入社会の実現も視野に入りつつありました。そうした状況を踏まえて、2014年には将来の大量導入社会を支え2-1-2. 再生可能エネルギー技術図1 ◉ 太陽光発電大量導入社会における5つの課題(2014年PV Challengesより)国民負担の増大固定価格買取制度の再エネ賦課金の増加を抑制し、国民負担を軽減する必要廃棄物大量発生の対応・大量導入は将来の大量廃棄を招く・リサイクルシステムの構築が必要立地制約の顕在化・導入ポテンシャルの限界・土地コストの上昇・系統制約の顕在化グローバル競争の激化・太陽電池モジュールの価格競争が激化・国内市場でも海外企業のシェアが増加長期に安定した発電量確保の要求・事業性の追求が進み、信頼性の確保に対する要求も高まっている・発電コスト低減のためにも信頼性の高い発電システムが必要・安全性の確保も重要

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