NEDO40年史 イノベーションで未来をつくる
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Chapter 2  エネルギーシステム分野再生可能エネルギー技術 NEDO 40年史 97風力発電歴史と背景洋上風力発電の導入を目指して NEDOは、1981年度から風力発電に関する事業を行っており、2009年度からは日本初となる着床式洋上風力発電の実証を開始しました。現在は、洋上風力発電に関する先進的な技術開発や実証事業などを推進しています。 洋上風力発電に関する技術研究開発は、政府が策定した「新成長戦略」(2010年6月閣議決定)や「第5次エネルギー基本計画」(2018年7月閣議決定)に基づいて実施しています。2015年に公表された「長期エネルギー需給見通し」においては、2030年度の総発電電力量のうち、22~24%を再生可能エネルギーとするとされています。また、第5次エネルギー基本計画においては、これまでの方針に加え、洋上風力発電の導入促進と着床式洋上風力発電の低コスト化、浮体式洋上風力発電の技術開発や実証を通じた安全性・信頼性・経済性の評価を行うことが盛り込まれています。こうして、洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取り組みが国の方針として明示されています。 一方、2018年に公表された「第3期海洋基本計画」においても、海洋資源の開発と利用の推進として、海洋由来の再生可能エネルギーに関して、とりわけ洋上風力発電コストについて一層低減しつつ、長期エネルギー需給見通しの水準を目指し、さらなる導入拡大を促進するとされました。その具体的な施策の一つとして2019年4月に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が施行されたことにより、今後ますますの洋上風力発電の導入促進が見込まれています。2008年度20092010201120122013201420152016201720182019202020212022調査FS洋上風況観測システム実証研究(銚子沖・北九州市沖)風車の大型化社会実装低コスト化着床式洋上風力発電システム実証研究(銚子沖・北九州市沖)次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(バージ型)(セミサブ型)浮体式(共通基盤研究)超大型風力発電システム実証研究開発(7MW級)着床式洋上ウィンドファーム開発支援事業風車部品高度実用化スマートメンテナンス技術研究開発風車運用高度化部品高度化、維持管理環境アセスメント調査早期実施実証事業洋上ウィンドファームFS(基盤調査)(要素技術実証)(浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発)(要素技術開発)低コスト施工技術調査低コスト施工技術実証洋上風況観測(洋上風況マップ)実証研究研究開発導入支援高度実用化図9◉ 洋上風力発電等技術研究開発のスケジュール

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