NEDOアニュアルレポート
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17フェロコークスは低品位の石炭と低品位の鉄鉱石から構成された革新的な高炉原材料です。フェロコークス中に約30%含まれる金属鉄の触媒作用を活用し鉄鉱石の還元効率を高めることで、高炉内へ投入するコークス量を削減し、製銑プロセスにおけるCO2排出量とエネルギー消費量の約10%削減を目指します。未利用熱の有効活用においては、高温の熱源から利用先まで熱を高効率に運ぶ熱輸送技術が極めて重要になります。本事業では、未利用熱エネルギー革新的活用技術研究組合(TherMAT)に参画する名古屋大学が、高効率の熱輸送を実現すべく大熱量ループヒートパイプを開発しました。本技術を自動車や工場排熱、データセンター、大型発電機器の熱エネルギーマネージメントに適用することで、抜本的な省エネルギー化が期待できます。事業概要事業名:環境調和型プロセス技術の開発/フェロコークス技術の開発事業期間:2017年度~2022年度2020年度の事業予算:53億円事業概要事業名:未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発事業期間:2015年度~2022年度2020年度の事業予算:6.5億円2020年9月にフェロコークス製造能力300t/日の中規模設備(商用規模の1/5)をJFEスチール(株)西日本製鉄所内に設置完了し、10月より操業試験を開始しました。2022年度までには中規模設備でフェロコークス製造を行い、実高炉へ長期的に連続挿入を行って、高炉の還元材比や操業安定性に及ぼす影響の評価を実施する予定です。2023年頃には技術確立、2030年頃には高炉5基への普及を目指しています。ループヒートパイプは、多孔体ウイックが液を吸い上げる毛管現象を利用しており、廃熱自体を動力源として動作するため外部電力が不要です。蒸発器構造、凝縮器構造をそれぞれ工夫することにより、大熱量ループヒートパイプを開発し、6.2kWの熱エネルギーを、電力を用いずに2.5m輸送することに成功しました。従来技術では数百W程度の熱輸送しか実現されていなかったのに対して、世界最大の熱輸送量を実現しました。今後、開発した数kWの無電力熱輸送が可能なループ式ヒートパイプ技術を、自動車や工場の排熱利用、データセンターや大型発電機器の冷却などへの適用を図り、抜本的な省エネルギー化の実現を目指します。未利用熱を有効活用するための大熱量ループヒートパイプフェロコークス製造設備外観成 果今 後成 果今 後製銑 プロセスフェロコークス製造のための中規模設備の実証試験を開始未利用熱世界最大6.2kWの無電力熱エネルギーを輸送できるループヒートパイプを開発―自動車や工場の排熱利用などへの適用で抜本的な省エネ化を目指す―

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