成果報告書詳細
管理番号20090000000146
タイトル平成18年度-平成20年度成果報告書 エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発/動的再構成回路用の低抵抗変化型不揮発性スイッチ素子の開発
公開日2009/7/30
報告書年度2006 - 2008
委託先名日本電気株式会社
プロジェクト番号P03033
部署名省エネルギー技術開発部 研究開発グループ
和文要約抵抗変化素子は主として不揮発性メモリ用の研究開発が広く行われているが、本研究開発では回路切替え用の小型で不揮発化した新しいスイッチ素子用の性能を実現することによりロジックデバイスの動作電力と待機電力を低減することを目的とした。目標実現のため、素子形成技術の開発、高性能化技術の開発、および動作メカニズムの研究の3つの課題に取り組み、LSIに搭載可能な低いオン抵抗(100Ω)、高いオフ抵抗(1MΩ)を有し、切替えが可能な微細スイッチの基本技術を実現した。まずスイッチに応用するために、オン状態の抵抗をさらに低くする必要があったが、この点については、オン状態の抵抗値が素子サイズにほとんど依存せず100Ω以下を実現できることを示し、実用化時に搭載が想定される微細化の進んだLSIにおいても十分低いオン抵抗が確保できることを確認した。また、特にオフ状態の抵抗制御技術は省エネルギー実現のために大変重要であるが、スイッチのオフ抵抗を増大させる材料技術を実現した。具体的には、抵抗変化材料の構成材料以外の元素を添加することにより、目標とする1MΩ以上のオフ抵抗を実現した。また、この高いオフ抵抗を保ったまま繰り返しスイッチできることがわかった。添加元素としては、イオン価数が3価以上になるLSI配線に用いられる金属元素が利用できることも示すこともわかった。実際の素子と同様に抵抗状態の切替えをパルス電圧で行うことにより、オンオフの切り替えが数1000回行えることを確認し、信頼性に影響している可能性のある結晶粒界効果を抑制すれば市場拡大効果の高い106回切替の実現の可能性も示すことができた。本研究で得られた技術を2012年度に実用化できれば、2015年度時点で原油換算で2.6万kl/年のエネルギーの削減に繋がる。その他、素子形成技術の開発としては実用化時に必要不可欠な抵抗変化材料の薄膜形成のため化学気相反応成長法(CVD法)を採用した成膜装置を導入し、抵抗変化材料の成膜技術を実現した。具体的にはCVD成膜装置を用いて配線間に充填される絶縁体層の微細孔に抵抗変化材料を埋め込む技術を実現した上、スイッチ性能目標を再現性よく実現する材料基本技術である。また、材料成膜に加え電極および抵抗変化材料の加工技術を開発した。材料がダメージを受けると電気抵抗素子の性能は劣化するが、加工性能が良好なガスを用いることによって、素子性能を劣化させない実用化に直結する技術開発に成功した。成膜および加工技術の実現により、素子の動作を阻害するタイプの電気的欠陥の低減目標を実現した。また、すべてのプロセス温度は目標の400℃以下で実現することに成功し、実用化に直結するものと考えられる。さらには実用化時の性能および信頼性保証の上で動作メカニズムを理解しておくことが重要であるが、この研究も京都大学および筑波大学に一部を再委託して実施した。実用化が想定される抵抗変化材料は多結晶体であるため、結晶粒界の影響を明らかにすることが極めて重要であるが、京都大学においてパルスレーザーデポジション法を用いた全く結晶粒界のない単結晶薄膜を金属電極上に実現し、多結晶薄膜と同等のスイッチ特性を示すことを明らかにした。このことによってスイッチ動作は結晶粒内の構造変化に起因する可能性は極めて高くなり粒界の影響は信頼性に絞られることがわかった。電気伝導機構に関しては、京都大学を中心に広い温度範囲における温度特性の評価から、オン状態およびオフ状態の電気伝導メカニズムに関する知見を獲得、さらに筑波大学において多結晶薄膜素子の電流から電子スピン共鳴成分を検知する評価を実施した。電子スピン共鳴成分はオンオフともに極めて小さいことがわかり、電気的に中性化している状態が電気伝導を担っていることもわかった。これらの結果を総合し、抵抗変化機構の定性的動作モデルを構築しており、開発と並行してモデルの妥当性検証や定量化を実施することにより、早期の実用化に繋がるものと考えられる。
英文要約The increasing request for LSI with field programmability continues to drive the development of the programmable logic devices (PLDs). Power consumption of PLD is also increasing because the circuit configuration is made by a number of Si transistors which need much power to operate. In this project, we try to develop the very small and non-volatile switch device with quite small operating power. For this purpose, we are studying three subjects; 1) the development of fabrication process techniques, 2) the brush-up device performance, and 3) the investigation of the physics of the switch operation. The abstract of each subject as follows; 1) the development fabrication process techniques: We succeeded to bury he resistive-change materials uniformly into the contact hole using CVD method. The stacking strategy of the bottom electrode and the improvement of the surface morphology are found to be quite important for the reduction of the operating voltage. As the development of the dry-etching process, we achieved the asvanced method to make it easy to etch the resistive-changing materials, which are hard to etch using the ordinary method. As a result, the electrical defect density is successfully reduced. 2) brush-up device performance: We have succeeded to develop the advanced technique to control the electrical resistance of the off-state, which is very important for reduction of the power consumption, by the control of the chemical composition of the resistance-changing material. 3)The conducting mechanism both of the off-state state and the on-state has been clarified by the temperature dependence of the current characteristics and electrical detection of magnetic resonance. The acquired knowledge of the switching mechanism was very useful to our development.
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