成果報告書詳細
管理番号20100000002252
タイトル平成21年度成果報告書 平成21年度第1回採択産業技術研究助成事業 09E51023a 脳機能障害治療に結びつく高度脳計測・脳刺激用多機能集積化神経プローブ技術の開発 平成21年度中間
公開日2011/1/25
報告書年度2009 - 2009
委託先名国立大学法人東北大学田中徹
プロジェクト番号P00041
部署名研究開発推進部
和文要約記録用神経プローブ本体の作製、プローブ刺入法、ダメージ評価法に関して、実用化への見通しをつけることができた。
[1]活動電位の記録や刺激をするためのシリコン両面記録神経プローブを設計・試作し、電気特性の評価を行った。試作した両面記録神経プローブは従来のプローブと異なり、プローブの表裏両面に記録電極を持ち、神経細胞活動電位の高密度記録が可能である。この両面記録神経プローブを用いてサルの大脳皮質からの活動電位とLocal Field Potentialの記録に成功した。さらに、マイクロ流路付き両面記録神経プローブの設計と試作を行い、マイクロ流路の評価を行った。マイクロ流路を設けることで、グルタミン酸などの神経伝達物質を注入しながら神経細胞活動電位の記録や刺激が可能となり、脳内における神経伝達物質などの化学物質の働きを調べることができる。試作したマイクロ流路付き両面記録神経プローブにより、モルモットの海馬スライス標本において神経細胞活動電位の記録実験を行い、薬液注入下での電位の高密度記録に成功した。
[2] 硬膜を貫通してシリコン両面記録神経プローブを刺入できる刺入ガイドホルダーを作製した。このガイドホルダーは、内筒にシリコン神経プローブ、外筒にガイドパイプを有する。ガイドパイプが内側のシリコン神経プローブを保護しつつ硬い硬膜を貫通することで、脳深部へプローブを刺入できる。実際にサルを用いてプローブの刺入テストを行った結果、硬膜を貫通してシリコン神経プローブを脳内に刺入し、かつサルの大脳皮質から活動電位とLFPの記録に成功した。
[3]プローブ刺入による脳神経細胞へのダメージを評価するためには、プローブ周辺の「活動しているニューロンの空間分布」に関する情報が有用である。「活動しているニューロンの空間分布」を知るためには、これまで開発してきた細胞外活動電位(Extracellular Action Potential,EAP)に基づくニューロンの位置推定法が利用可能である。今年度は、EAPに基づく位置推定アルゴリズムの評価と改良を行った。EAPの等振幅面を解析したところ、基底樹状突起周辺は等振幅面が細胞体の重心付近に中心を持つ球面状の形状をしているのに対して、先端樹状突起周辺では樹状突起に沿って等振幅面が突出していることを見いだした。従来の位置推定アルゴリズムでは、等振幅面が球面状であることを仮定していたために、このような等振幅面形状の歪が位置推定精度を悪化させる原因になっていることを明らかにできた。さらに位置推定の精度を向上させるためには、EAPから振幅とは異なった3次元分布を有する波形の特徴量を抽出する必要があることも明らかにした。
[4]脳深部刺激用の神経プローブの仕様検討を行った。実際に臨床治療に使用されている脳深部刺激電極を人の頭部に刺入する手術を工学的見地から詳細に記録解析することにより、シリコン神経プローブにはプローブ先端部の正確な位置把握(刺激部位の特定)と刺激電流・電圧の多様なパラメータ振り機能(電気刺激パラメータの決定)が必須であることを明らかにした。
[5]単機能神経プローブの電極表面を種々の状態に加工し、電極表面状態が組織に対してどのような効果を及ぼすのかを評価する実験系を立ち上げている。灌流固定法により固定した組織に対して免疫組織化学的な処理を行い、その後、電極刺入を行った組織の観察記録を行う実験システムである。また、単機能神経プローブを用いた短期間の前臨床試験の準備を行っている。
英文要約We have proposed the intelligent Si neural probe system which can realize high density multifunctional recording and stimulation. In the fiscal year of 2009, we successfully fabricated the Si double-sided neural probe that has recording sites on both front- and back-side of the probe to realize high density recording. Both front- and back-side recording sites have impedance values of 1.5 MΩ and 1.2 MΩ at 1 kHz, respectively, which indicates that both recording sites have equivalent characteristics. The neuronal action potentials and LFPs in motor area of Japanese macaque’s brain were successfully recorded using the Si double-sided neural probe.
In addition, we also fabricated the Si neural probe with microfluidic channel to deliver drugs into the brain. The microfluidic channels were fabricated using wafer bonding techniques. From the liquid ejection test, we confirmed that there was no void at bonding interfaces. We observed the liner relationship between the flow rate and the pressure drop, and the relationship was identical to that from the calculation. Using the Si neural probe with microfluidic channel, we successfully observed the changes of neuronal action potentials in accordance with the Glutamate injections.
We developed in vivo evaluation system using the rat and monkey with the aim of optimization of Si neural probe. We introduced a guiding method to insert structurally weak probes into the brain through the thickened dura mater in chronic animal experiments. It uses a commonly available intravenous (IV) needle and a cannula to secure a small puncture in the dura mater, through which a probe is advanced into the underlying cerebral cortex.
For reduction of neuronal damage caused by the implant of neural electrode in the brain, physical strains around the probe should be estimated in site. To do this, information about 3-D distribution of neurons near the probe is useful. In this study, we have developed a novel method to estimate position of a neuron near the electrode making use of electrophysiological signals recorded by the neural probe.
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