成果報告書詳細
管理番号20100000002326
タイトル平成18年度-平成21年度成果報告書 固体高分子形燃料電池実用化戦略的技術開発 次世代技術開発 リン酸二量体ハイブリッド電解質膜を使用した中温燃料電池の研究開発
公開日2011/1/25
報告書年度2006 - 2009
委託先名名古屋大学
プロジェクト番号P05011
部署名燃料電池・水素技術開発部
和文要約本研究は以下のことを主な目的とする。1.安価なカチオンをドープしたSnP2O7を探索する。2. この電解質粉体と各種バインダーから成る有機/無機ハイブリット膜を開発する。3. Pt使用量の低減化またはその代替化、炭化水素およびDMEなどを使用する燃料多様化も併せて検討する。「プロトン導電体の高性能化」種々のAl原料から合成したAl3+ドープSnP2O7の導電率を測定したところ、Al(OH)3をドーパントとしたときに最も高い導電率(0.19 S cm-1@250℃)が得られた。ここで注目されることは、観察された導電率がSn0.9In0.1P2O7の値と同等なことであり,AlがInに代わるドーパントとして使用可能であることを示している。「有機・無機コンポジット電解質膜の作製」有機バインダーとして、200℃までの耐熱性を持ち、100℃でプロトン導電率が10-4Scm-1を示すスルフォン化ポリスチレン-ポリ(エチレン-ブチレン)-ポリスチレントリブロック共重合体(S-SEBS)を選択した。100-200℃におけるプロトン導電率はどれもS-SEBS含有量の増加とともに減少したが、機械的強度は反対に増大する傾向を示した。従って、導電率と強度の兼ね合いから、S-SEBS含有量20%を最適な試料と決定し、その物性を詳細に評価した。その結果、プロトン導電率5.6×10-3Scm-1@150℃、強度2.8MPa、伸び430%、膜厚50μmという性能が得られた。また、50μmのコンポジット膜とPt/C電極でMEAを作製し、燃料電池を構成したところ、作動温度100-150℃でOCV930-950mV、最大出力密度156-202mWcm-2を発揮した。「Pt使用量の低減化と代替化」アノードのPt代替物として遷移金属炭化物を中心に探索を行ったところ、Mo2Cが中温において有望な代替触媒になり得ることが分かった。また、触媒調製時にMoとともにZr種を少量添加することで、アノード抵抗がさらに小さくなり、Pt並の値にまで低下した。一方、カソードのPt触媒特性を向上するため、助触媒としてSiCを中心に開発を行った。その結果、無加湿、150℃におけるPt/SiC-C電極の分極抵抗(@100mAcm-2)はSiC無しの抵抗3.5Ωcm2からSiC有りの抵抗2.5Ωcm2まで低減した。さらに、SiCの導電性と触媒活性を高めるため、SiCにAl3+を3mol%ドープしたところ、分極抵抗を2.2Ωcm2まで減少させることができた。また、カソードにプロトン導電性を付与するため、Sn1-xInxP2O7を担体上に担持することも試み、分極抵抗を最終的に1.4Ωcm2まで減少させることに成功した。「無加湿条件下での安定性」 コンポジット膜に対して、無加湿条件下100-200℃におけるプロトン導電性の安定性を評価した。100と150℃では、測定初期に導電抵抗がわずかに大きくなったものの、その後100時間にわたってほぼ一定であった。しかし、S-SEBSバインダーの耐熱温度に近い200℃では、時間とともに導電抵抗が大きく増加した。これはコンポジット膜の使用温度が150℃までであることを意味する。またPt- Sn1-xInxP2O7/ Si0.97Al0.03C-C電極についても、半セルを構成して無加湿、150℃の通電下でセル電圧(vs.参照極)の経時変化を観察した。セル電圧は100時間で約10mVの劣化を示していた。これはカソードの分極抵抗が増大したことによるものである。「一酸化炭素耐性と燃料多様性」H19年度にPtが150℃以上で一酸化炭素に被毒されないことを示し、H20年度にMo2C-ZrO2触媒が同じく中温で高い一酸化炭素耐性を持つことを見出した。この特徴を活かして、メタンからブタンまでの炭化水素を燃料として直接使用するアノード及び燃料電池の開発にチャレンジした。PtとMo2C-ZrO2両触媒とも、温度の上昇とともに分極抵抗が減少し、特に300℃ではともに1.2Ωcm2以下に達していた。また、二つの触媒とも開回路では生成物が全く観察されないが、放電とともに電流効率100%で二酸化炭素が生成していた。二つのアノード触媒の違いは主に燃料電池のOCVに現れ、Mo2C-ZrO2の方がPtよりも低電位側で酸化反応を起こした。
英文要約We recently found that 10 mol% In3+-doped SnP2O7 (Sn0.9In0.1P2O7) showed high proton conductivities above 0.1 S cm-1 in the temperature rage of 100-300 oC in dry conditions. This material was also applied to an electrolyte for intermediate-temperature fuel cells. When unhumidified hydrogen and air were used as the fuel and oxidant, respectively, at 250 oC, the fuel cell showed good cell performance with an open-circuit voltage of ca. 920 mV and a peak power density of 264 mW cm-2. However, a number of challenges still remain, including the use of the expensive In3+ dopant, the low mechanical strength of the electrolyte membrane, and the high electrode resistance, especially at the cathode. In this project, we will address the above challenges and also verify some advantages of the fuel cell using an optimized SnInP2O7-based electrolyte over conventional polymer electrolyte fuel cells. Notable results obtained so far are summarized as follows. (1) 5 mol% Al3+-doped SnP2O7 (Sn0.95Al0.05P2O7) exhibited a high proton conductivity value of 0.19 S cm-1 at 200 oC, which was comparable to that of Sn0.9In0.1P2O7 under the same conditions. (2) A composite membrane fabricated by blending Sn0.95Al0.05P2O7 with sulfonated polystyrene-b-poly(ethylene/butylene)-b-polystyrene showed a conductivity of 5.6 x 10-3 S cm-1 at 150 oC and a tensile strength of 2.8 MPa and an elongation at break above 400%. A H2-air fuel cell with this composite membrane yielded power densities of ca. 150 mW cm-2 between 100 and 150 oC. (3) Mo2C-ZrO2/C realized an anode performance comparable to that of Pt/C at 250 oC or higher. (4) This material also had a high potential as an anode catalyst for direct hydrocarbon fuel cells operating at intermediate temperatures. (5) Pt-Sn0.95In0.05P2O7-Si0.97Al0.03C/C exhibited much higher oxygen reduction reaction activity than that observed for Pt/C, due to the enhanced dissociative oxygen adsorption on the Si0.97Al0.03C particles and the increased number of reaction sites for the ORR provided by the Sn0.95In0.05P2O7 particles.
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