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成果報告書詳細
管理番号20170000000351
タイトル平成28年度成果報告書 次世代スマートデバイス開発プロジェクト IoT社会の実現に向けた電子・情報分野事業の周辺技術・関連課題における小規模研究開発 IoTノード間配電・通信インフラを構築する炭素配線シートシステム技術の研究開発
公開日2018/3/8
報告書年度2016 - 2016
委託先名国立大学法人大阪大学 国立大学法人東京大学
プロジェクト番号P13005
部署名IoT推進部
和文要約件名:平成28年度次世代スマートデバイス開発プロジェクト
「IoT社会の実現に向けた電子・情報分野事業の周辺技術・関連課題における小規模研究開発/「IoTノード間配電・通信インフラを構築する炭素配線シートシステム技術の研究開発」

本研究では、構造物ヘルスケアなど大規模な範囲に及ぶIoTセンサーノード間の安定的な電力供給網および情報通信配線を実現することを目的に、「高耐久性、省エネルギーの炭素配線シートシステム」を実現する技術開発を行ってきた。

IoTセンサーを真に実現する上での最大の課題は、「安定的な電源供給システムの構築」、「安定的な情報通信網の構築」である。とりわけ老朽化を迎えた構造物のヘルスケアは、IoTセンサーの最も重要な応用であるが、上記二つの課題により、実現されていない。さらに構造物ヘルスケア用センサーでは、一日一分間程度の間欠計測が重要となる。この際には、従来のエレクトロニクスのような常に電力供給する仕組みではなく、新たに「間欠動作」を行うことを想定した電力供給、情報通信技術が必要である。

本研究では、炭素の特性を活かし、炭素配線シートシステムを実現することで、省エネルギー、省材料、低環境負荷の配電、通信インフラを構築する取り組みを進め、下記に示す通りの成果を得たので以下に記す。 

IoTセンサーノード間の電力供給、情報通信における本質的な課題 を解決するために以下の研究開発項目を実施した。
・研究開発項目1:
炭素配線シートおよび間欠動作型構造物ヘルスケアセンサー(IoTセンサーノード)開発
・研究開発項目2:
炭素配線を用いたエネルギー供給およびデータ通信のCMOS回路による実現可能性検証

具体的には、以下の取り組みを行い、その目標を達成した。
1. 高導電性グラファイトを主材料とし、高導電、かつ電力分配、情報通信可能な炭素配線の開発に成功した。抵抗において1cm長さあたり1オーム以下を目標とした。その結果、本研究開発では、1cm長さあたりの抵抗値として、0.1オーム以下の低抵抗性を実現した。さらには、これらの炭素をインク化し、印刷プロセスにおいても同等程度の低抵抗性を実現した。

2. 炭素配線の耐久性試験において既存の銅配線と開発した炭素配線の各種耐性比較
特に塩化物環境、酸性環境、屈曲耐性について、詳細に検討を行った。その結果、いずれの比較指標においても炭素配線の優位性を明らかにすることができた。

3. 炭素配線と金属との安定的な接合構造を目指し、導電ゴム、または金属ハトメによる接点評価を行い、その使用にめどを立てることができた。今後、長期的な電気的接続安定性、機械的接続安定性を評価し、この技術を展開していく。

4. 間欠動作型センサーの開発(歪みセンサー、振動センサー、鉄筋腐食に伴うコンクリート自然電位センサー)と評価
4.1.歪みセンサー:マルチチャンネルの間欠動作型フレキシブル歪みセンサーを開発し、東京電力が現在使用している既存の歪センサーと同等性能であることを確認した。
4.2.振動センサー:マルチチャンネルの間欠動作型フレキシブル振動センサーを開発し、1ー1kHzの周波数帯の振動計測を実現した。
4.3.自然電位センサー:マルチチャンネルの間欠動作型フレキシブル電位センサーを開発し、東京電力が現在使用している既存のセンサーと同等の精度で計測できることを確認した。

5. 炭素配線シートを用いた間欠動作型センサーシステムの実現可能性の検証
マスタ、スレーブ双方にArduino Pro Miniを用いて、長さ5mの炭素配線シートを介して電力供給・信号伝送を行った。マスタはI2C(アイスクエアー)規格を用いて通信を行い、100kbpsのデータ通信能力を有することを確認した。さらに間欠的にスレーブ側センサーの読み値を取得可能であることを確認した。
さらには実証試験のため,10m以上の炭素配線シートを介した電力供給・信号伝送が可能な,マスタ・スレーブ基板を開発した.マスタ基板1つに対して最大10個のスレーブを接続可能であり,スレーブ1つに対して8つの計測点を持つ。マスタ・スレーブ間は,長距離通信が可能なRS485通信(9.6kbps)によって接続され間欠動作を行ない,マスタ・パソコン間はEthernetを通じてFTPによってデータ通信を行う。本研究開発では、炭素配線シートに接続した状態で,スレーブ基板による間欠計測,マスタ基板へのデータ転送,マスタ基板からパソコンへのFTP転送,が可能であることを確認した。

上記の示す通り、すべての研究開発項目を実施し、当初目標を上回る成果を得た。本取り組みにより、炭素配線によるIoTノード間の配電、通信が可能であることが示された。今後、実際の構造物に適応し、その耐久性を検証する取り組みを進める。
英文要約Title:Next-generation smart device development project
"Small-Scale Research and Development in Peripheral Technologies and Related Tasks for Electronic and Information Technology Businesses to Realize IoT Society /" Research and Development of Carbon Wiring Sheet System Technology for Building IoT Node Distribution and Communications Infrastructure "

Sheet-type sensor system using carbon-based wirings for power-transmission, data-communication among IoT-sensor nodes.
[Abstract]
In this project, we have developed “Sheet-type sensor system using carbon-based wirings with high-reliability and low-power consumption”. This system can effectively transmit electric power to IoT-nodes and realized data-communication among sheet-type sensors.

[Research background and Summary]
One of the most difficult challenges for realizing IoT sensors on civil infrastructure monitoring systems is the development of technologies for effective power-transmission and reliable data-communication with long-term stability among huge number of IoT-sensor nodes.
Especially, degradation of civil-infrastructure is one of the biggest problems of all the world, so that IoT sensor systems are attracting considerable attention for monitoring the degradation. On the monitoring of the degradation on civil-infrastructures, intermittent operation (for example, 1 minute per 1 day) is required, whose electronic performances required for the health-monitoring of civil infrastructure are different from those of conventional electronic sensor systems. Taking the intermittent operation of civil-infrastructure monitoring systems into account, new technologies for transmitting electric power and reliable data-communication among IoT-sensor nodes are required.

In this work, we have successfully developed “Sheet-type sensor system using carbon-based wirings with high-reliability and low-power consumption”, which will contribute to the realization of low-power and material consumption, sustainable society. 

In more details, we have carried on the following two main development items.

・Development item1:
Health-monitoring sensors for civil- infrastructures using carbon-based wirings and its intermittent operation

・Development item2:
Feasibility verification of power transmission and data communication using sheet-type systems.
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