成果報告書 2019年3月

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成果報告書詳細
管理番号20180000000638
タイトル平成28年度―29年度成果報告書 水素社会構築技術開発事業 水素エネルギーシステム技術開発 再エネ水素と排ガスCO2によるメタン合成および都市ガスグリッド利用を目指したPower to Gasシステムの研究開発
公開日2019/3/7
報告書年度2016 - 2017
委託先名株式会社日本製鋼所 日立造船株式会社
プロジェクト番号P14026
部署名次世代電池・水素部
和文要約件名:平成28年度?平成29年度成果報告書 水素社会構築技術開発事業 水素エネルギーシステム技術開発 「再エネ水素と排ガスCO2によるメタン合成および都市ガスグリッド利用を目指したPower to Gasシステムの研究開発」

 CO2フリー水素社会の早期構築に資する技術として、再エネ由来の水素と排ガスCO2からカーボンニュートラルメタンを合成し、地産地消型の都市ガス転換利用を目指した水素?メタンPower to Gasシステムについて、2030年代の社会実装を目指したモデルを策定し、技術的成立性、経済性、社会的便益等を評価した。
 電力市場取引価格が閾値よりも安価な時間帯に入札し、水電解装置等を稼働させる電力調達方式を採用した。取引価格としては、2030年度の日本の再エネ導入目標と等しい2012年のドイツの1時間前市場実績値を用いた。
 近隣の水素ステーション需要に応じてCO2フリー水素を優先供給するとともに、余った水素はカーボンニュートラルメタンに合成した上で、都市ガス転換して託送供給するビジネスモデルとした。ここで、都市ガス料金の国内格差に着目し、都市ガス転換・供給経費を未知パラメータとして分析した。対象ガス事業者群の販売量から、社会実装時の水素?メタンPower to Gasシステム規模を整流器入力で10 MW、水素製造レート2000 Nm3-H2/h、メタネーション出力500 Nm3-CH4/hとし、シミュレーションモデルを策定した。水電解装置、メタネーション装置とも、変動出力に対応できることを技術的に確認した。ただし、熱収支から、メタネーション装置の下限負荷率は30%とした。さらに、ガス精製装置として、メタネーション排熱を有効利用できる温度スイング式吸着精製システムを検討し、技術成立性を確認した。
 1年間のシミュレーションの結果、システム全体のエネルギー効率は、55.9%(HHV基準)と試算された。電力調達閾値をパラメータとした経済性評価の結果、低廉な電力を得ることを優先して設備利用率を下げるよりも、電力単価が高くても設備利用率を上げる方が事業採算上有利であることがわかった。また、収入の面から、託送抜きガス単価から都市ガス転換・供給経費を除いたカーボンニュートラルメタン単価を高く設定できるほど、事業採算性は有利になった。メタン単価が190.8円/Nm3-CH4以上で、水電解装置の設備利用率が70%以上であれば、IRRはプラスとなる。また、水素専売型Power to Gasシステムおよび蓄電システムと経済性を評価した結果、メタン単価が高い事業環境であれば、水素?メタンPower to Gasシステムは最も優れた経済性を有していることを確認した。社会的便益の評価では、CO2排出削減価値として59百万円/年、エネルギー国産化価値として111百万円/年が計上された。
 次に、各種課題の検証を目的とした実証試験システムについて、各種検討を行った。候補自治体として、インフラが充実し、CO2排出施設も多数存在する北海道室蘭市を選定した。同市の中でも、高濃度のCO2が安定的に得られ、十分な広さの遊休地がある蘭東下水処理場を候補地として選択した。実証試験で得られた水素は精製・圧縮後、室蘭市所有の移動式水素ステーションに供給するほか、メタンは日本製鋼所室蘭製作所内で工業利用する計画とした。
 実証システム規模としては、整流器入力で500 kW、水素製造レート100 Nm3-H2/h、メタネーション出力25 Nm3-CH4/hとした。また、機器・配管レイアウトを検討した結果、主要設備は、50m×20mのエリアに収められる。3年半の実証期間を想定し、各種課題の検証試験が過不足なく実施できる試験スケジュールを策定した。
英文要約Title: Technology Development for the Realization of the Hydrogen society Development of Systems using Renewable Energy-derived Hydrogen Development of Power-to-gas System to Synthesize Methane from Renewable Hydrogen and Exhaust CO2 for Supplying via Conventional Gas Grid (FY2016-FY2017) Final Report

To accelerate the energy transition toward carbon-free hydrogen society, we have carried out a feasibility study of a power-to-gas system which synthesizes carbon neutral methane from renewable hydrogen and exhaust CO2. It is an economical advantage that carbon neutral methane can be utilized via the conventional gas infrastructure, such as city gas grid.
At first, we have simulated the one-year commercial operation of the power-to-gas system consists of an alkaline electrolyzer (2000 Nm3-H2/h) and a methanation reactor (500 Nm3-CH4/h). To obtain inexpensive electric power, the operator purchased it from the intraday market when the price was lower than the threshold value. The electrolyzed hydrogen was supplied to an on-site hydrogen station (2500 Nm3-H2/day), and the residual hydrogen was synthesized with exhaust CO2 to carbon neutral methane. The methane was converted to city gas by mixing petroleum gas and odorant.
As a result, the total energy efficiency of the power-to-gas system was 55.9% (in HHV). From the standpoint of economic, the internal rate of return (IRR) will be positive when the methane price is higher than 190.8 Yen/m3 and the capacity factor is larger than 70%.
Next, the demonstration test plan has been studied. We have selected a sewage plant in Muroran-city as the test site, and designed the flow diagram and layout as 1/20 of the commercial plant scale.
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