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成果報告書詳細
管理番号20190000000317
タイトル平成30年度成果報告書 バイオマス・廃棄物を原料として用いた省エネ・低炭素型基幹化成品等製造技術に関する調査
公開日2019/5/31
報告書年度2018 - 2018
委託先名株式会社三菱ケミカルリサーチ
プロジェクト番号P12004
部署名省エネルギー部
和文要約京都議定書(1997採択)に続くパリ協定(2015採択)の締結で、各国は2030年までの温室効果ガス排出量の削減目標を公表する業務が生じている。化石資源のエネルギー使用の削減、再生可能エネルギー導入の促進が中心となると見られてきた。産業を支える輸送手段(自動車、鉄道、船舶、航空機など)では、水素や再生可能燃料の使用、電力駆動化などに向けた努力が熱を帯びている。化学産業分野では、石油化学原料としての化石資源使用量の削減を目指しているが、世界的需要の拡大が続き、再生可能なバイオマス資源等への原料転換が追いつかない状況にある。また、海洋のプラスチック汚染が深刻化し、社会インフラ整備や生活習慣改善の遅れている中国、東南アジアからのプラスチックスの海洋への排出量が顕著に多く、国連、欧州などで世界的な対策に乗り出している。
化学産業と環境汚染を巡る多くの顕在化している課題の解決に向けて、本調査では二つの技術動向を探ることを目的としている。第一は、バイオマスや廃棄物等の再生可能資源からの基幹化成品の製造技術の調査であり、省エネルギー・低炭素負荷の製造技術を調査することを目的としている。第二は、廃プラスチックスの有効利用法に関する調査で、2018年から欧州を中心に、3R(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクル)を促進する企業連合、EU諸国の共同研究などが本格化している。こうした活動は、日本でも多く研究され、実用化可能な技術も開発されてきたが、廃プラスチックを輸入し、利用する国の出現で実用化されることは無かった。しかし、2018年に中国に続き、東南アジア各国が廃プラスチックの輸入を相次いで輸入禁止、先進国では急速な3R促進の必要性が出てきた。
第一の課題に関し、本調査では、基礎化学品として特にエチレン・p-XLを選び、詳細な検討を実施した。エチレンについてはバイオマス誘導体であるエタノールの脱水を検討した。エタノールは糖質原料の発酵法で生産されるが、サトウキビ原料法で最も低廉なエタノール生産が可能であることに注目した。搾汁ショ糖の発酵(ブラジルで大規模実施)とともに、バガスをガス化し、米LanzaTech社が開発したシンガス発酵法によるエタノール生産法を比較した。またエタノール脱水ではBP Hummingbird法を比較した。エチレン生産規模を20万トン/年に固定した。この結果、いずれの原料の発酵エタノールでも製造コスト差は僅少であること、原料コスト比率が90%と高いこと、エチレン製造コストは搾汁・糖蜜発酵法、バガス原料法で石化法(原油価格 US$ 60/bbl基準)とほぼ同等であること、CO2負荷は大幅に削減できることが明らかになった。特にLanzaTech法ではCO2負荷が負となる。またバイオ法p-XLの製造コスト評価を行った。10万トン/年規模で、Gevoのイソブタノール発酵、p-XL選択合成の組み合わせプロセスに注目したが、p-XL製造コストは石化法に比較して大幅に高く、経済性で課題が大きいと結論した。
第二の課題に関し、本調査では、国内外の廃プラスチックのリサイクル技術開発動向を整理した。PMMA、PS、PC、PET、PAなど複数の樹脂でモノマーリサイクル技術が開発されている。化学的手法、加熱処理法など、多様な技術が検討され、モノマー回収技術は進歩している。またPET、EPS、POなどは、マテリアルリサイクルが実用化段階にある。環境への排出を抑制するためには、サーマルリサイクルも有効な手段であるが、熱分解油化と、固体残渣のみの燃料化、熱利用を提案する動きが急である。熱分解で得られる油状成分は石油精製と同様、ナフサ、灯軽油等の留分に分割、ナフサは石油化学原料として利用できる。独BASF、Nesteなど複数の企業ですでに実用化開始しており、日本でも早急に検討開始する必要がある。廃棄物のマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル利用では、単一の廃プラスチックでは可能でも、複合材などで夾雑成分があると、各成分の分離が技術の成否を握る。三菱電機が自社家電製品のマテリアルリサイクルにこうした技術を開発している。CFRP複合材では、高価な炭素繊維の回収が重視されるが、いくつかの提案が見られる。本調査では、特に、PMMA、PS、PETのケミカルリサイクルについて、最近の動向を含めて紹介した。
英文要約After the Kyoto protocol(1997), an international treaty which extends the 1992 UN Framework Convention on Climate Change(UNFCCC), and Paris Agreement in 2015, the challenge of the member countries to the global Climate regime is increasing. In addition to enhancing efficiency of all the mechanisms of energy consumption, introducing renewable energy and biomass to replace/reduce fossil resources has been considered as the key for the challenge. In addition to the global warming, pollution of our lands and ocean by waste plastics became the new matters of concern. In the present study, it was intended to find out technologies for producing fundamental chemicals like ethylene and p-xylene, not from the fossil fuels but from renewable materials. The updated survey of the 3R technologies to challenge the problems of waste plastics was another target of this study.
As for the production route of bio-ethylene, two processes and their cost figures of producing bio-ethanol, and two processes of producing bio-ethylene from bio-ethanol were compared. 200,000t/y of ethylene scale was assumed. It was found that gasification of bagasse followed by syngas fermentation to ethanol, the LanzaTech process, gives comparable production cost, and much reduced GHG emission than the conventional fermentation of cane sugar. A new dehydration process of ethanol to ethylene, BP Hummingbird process, showed comparable production cost, and reduced GHG emission as compared with the conventional process with parallel adiabatic reactors.
As for the production route of bio-p-xylene, only a process developed by Gevo was found to be free from handling a xylene isomer mixture. This process starts from glucose fermentation to iso-butanol, which is then converted to its dimer and then converted into p-XL. The production cost was higher than the petrochemical route, but with much reduced GHG emission.
As for the 3R use of waste plastics, technologies of recycling waste plastics for material reuse and as chemical resources have been developed, in addition to the conventional thermal recycle technologies. It was found in the present study, that the technologies of chemical recycling of PMMA and PET were earnestly studied in European countries. Similar chemical technologies of recycling PS, PE, PP, PC, PA and PU have also been reported. The challenges of BASF and several European chemical major companies are remarkable. They thermally degrade waste plastics into oil which can be a replaceable source of naphtha. Separation and reuse of waste plastic composites has been a big issue in the 3R technologies, but a recent technology developed by Mitsubishi Electric Co could mitigate its difficulty.
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