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産業技術研究助成事業(若手研究グラント)の助成研究者がドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2010」を受賞

2011年5月30日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 村田 成二
 NEDOの産業技術研究助成事業(若手研究グラント)の助成研究者である物質・材料研究機構の樋口昌芳グループリーダーが、第3回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2010」(注)を受賞(3等賞)しました。新しいエレクトロクロミック材料の開発と表示デバイスへの応用に関する研究成果が認められたもので、2011年5月12日にドイツ大使館大使公邸で授賞式が行われました。
(注)在日ドイツ商工会議所とドイツ企業12社共同プロジェクトとして、日本の若手研究者支援と科学技術振興、そして日独の産学連携ネットワーク構築を目的に2008年に創設された。応募資格は日本の大学・研究機関に所属する45歳以下の若手研究者、応募対象は環境・エネルギー、健康・医療、安心・安全の3分野における応用志向型の研究。詳細は「German Innovation Award」ホームページをご参照下さい。
  • ゴットフリード・ワグネル賞2010

1.ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2010」

第3回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2010」(3等賞)
受賞者:樋口 昌芳
受賞対象:Development of New Electrochromic Materials and Their Application to Display Devices
(新しいエレクトロクロミック材料の開発と表示デバイスへの応用)

本受賞研究には、下記助成事業で得られた成果が活かされています。

NEDO産業技術研究助成事業(若手研究グラント)
研究テーマ:有機/金属ハイブリッドポリマーを用いたスマートウインドウの開発
研究期間:2009年1月~2012年12月
研究代表者:樋口 昌芳
研究目的:
地球温暖化を防ぐためには、省エネルギー対策として効率的な空調(冷房と暖房)制御が求められており、自動車、電車、航空機、住居等の窓の遮光制御は、無駄な空調を減らす一つの手段と言えます。本研究では、エレクトロクロミック(電圧で色が変わる)機能を有するポリマー材料を用いて、駆動特性に優れ、多彩な色調が表示可能なスマートウインドウを開発することを目的としています。

2.NEDO産業技術研究助成事業(若手研究グラント)の成果

 スマートウインドウは、電圧印加により、透明と遮光状態を可逆に変えることのできる次世代窓です。自動車、電車、航空機等の移動体や、住居等建築物にスマートウインドウが普及すれば、日差しの強さに応じて遮光レベルが細かく調節されることで、空調にかかる省エネルギーに大きく貢献すると期待されています。
 液晶などを用いて現在開発されているスマートウインドウは、遮光率が調節できるのみで、デザイン性やファッション性を加えることが困難です。今後、普及させるためには、用途や使用者の好みに細かく対応できる多彩なカラーバリエーションを持つスマートウインドウの開発が不可欠だと考えられます。本研究は、多彩な色調を表現できる有機/金属ハイブリッドポリマーを用いた独創的な試みです。
 これまでに樋口グループリーダーらは、有機/金属ハイブリッドポリマー(下図(a))におけるエレクトロクロミック特性(電圧をかけると色が消える特性)を発見し、金属イオンや有機モジュールを変えると様々な色のポリマーが得られることを見出しています(下図(b))。ポリマーができていることは原子間力顕微鏡で確認することができます(下図(c))

  • スマートウインドウ
 このハイブリッドポリマーをフィルムにし、ゲル状の電解質と組み合わせることで、遮光状態と透明状態を可逆に制御できる新しい「カラー」スマートウインドウの開発に成功しました(下図)。また、用いるハイブリッドポリマーを変えることで、青、紫、赤、オレンジの4種類のカラーバリエーションを実現しました。
  • 「カラー」スマートウインドウ

3.今後の予定

 未曾有の震災で被災した日本にとって省エネルギーに向けた取り組みは喫緊の課題といえます。今回の受賞を励みとして、スマートウインドウの実用化に向けた研究を加速させていきたいと考えています。

4.お問い合わせ先

(本プレスリリースの内容についての問い合わせ先)
独立行政法人物質・材料研究機構 高分子材料ユニット 電子機能材料グループ
グループリーダー 樋口 昌芳
メールアドレス
独立行政法人物質・材料研究機構 広報室  TEL:029-859-2026

(産業技術研究助成事業(若手研究グラント)についての問い合わせ先)
NEDO 技術開発推進部 担当:星、松﨑 TEL 044-520-5174

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報室 担当:田窪  TEL:044-520-5151