再生可能エネルギー技術白書を大幅改訂
―各分野の動向、課題、対応策を明記―
2013年12月10日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫
同白書は2010年に第一版が公表されましたが、その後の状況変化等を踏まえ内容を最新情報に更新。さらに各課題に対する技術、政策、様々な面からの対応策を取りまとめました。
同白書は12月12日以降、NEDOのWEBページ※1からダウンロードできます。また、12月12日に日本最大級の環境展示会である「エコプロダクツ2013」内において、その内容を紹介するセミナー※2を開催いたします。
- ※1 「NEDO再生可能エネルギー技術白書」(12月12日 14時00分更新予定)
- ※2 「再生可能エネルギー技術の最前線 ―NEDO再生可能エネルギー技術白書 2013発表―」 の開催
1.改訂のポイント
〔1〕我が国を取り巻くエネルギー情勢の変化を踏まえ最新の情報にアップデート
東日本大震災後の再生可能エネルギーを巡る議論の経緯を整理し、飛躍的に国民からの期待が高まった「再生可能エネルギー」について、あらためて「導入の意義」と効果を解説しています。その上で、各分野の再生可能エネルギー技術の解説に留まらず、我が国のエネルギー需給の全体像及び近年の変化を最新の情報をもって記載しています。
我が国に劇的な再生可能エネルギーの拡大をもたらした固定価格買取(FIT)制度施行後の導入量の推移や、大量導入に伴う課題を最新の情報を基に報告しています。
海外の再生可能エネルギー導入の現状と変化について、技術的情報のみならず、各国の政策的な取り組みや市場の情報についても最新の動向をまとめています。また、導入拡大が先行している国々の事例を収集し、今後、我が国も直面すると思われる課題とその対処方策についてまとめています。
〔2〕再生可能エネルギー普及へ向けた課題と克服方策を掲示
普及に伴う社会コストが膨らむという懸念、系統接続容量の制約、開発期間の長期化といった大量導入に伴い顕在化してきた課題について、技術的課題にフォーカスし、それらの課題を解決するために必要となる低コスト化や系統変動対策等の具体的な克服方策を網羅して掲載しています。
国内のみならず急拡大を続ける国際市場は、中国企業等の参入によるコモディティ化の波を受けて、コスト競争が激化しています。我が国企業の競争力を向上させるためにはエネルギー技術における更なるイノベーションの進展が重要であることから、将来、エネルギーシステムにパラダイム・シフトをもたらすような革新技術の開発や高付加価値化に向けた取り組みを掲載しています。
現在、比較的設置が容易な太陽光発電については導入が進んでいますが、他の風力発電や地熱発電については環境アセスメント等の技術以外の課題に直面しています。新しいエネルギー技術の社会への普及を進める上で必要となる技術の標準化や規制の適正化などの社会実装の取り組みについても記載しています。
〔3〕使い易さを向上
初版から構成を見直し、太陽光発電や風力発電の他、FIT制度の対象となった地熱発電や中小水力発電等の主要な技術分野毎に構成を変更しました。
また、分野毎に「技術の概要」、「導入ポテンシャル、導入目標、導入実績」、「市場動向」、「技術開発動向」、「今後に向けた課題と克服方策」を取りまとめています。また、既に北海道において顕在化している系統連系可能量の制約に対応するために必要な取組として、「系統サポート技術」を新たに追加し、全体を以下の章構成としました。
第1章 再生可能エネルギーの役割(総論)
第2章 太陽光発電
第3章 風力発電
第4章 バイオマス
第5章 太陽熱発電・太陽熱利用
第6章 海洋エネルギー
第7章 地熱発電
第8章 中小水力発電
第9章 系統サポート技術
第10章 スマートコミュニティ
PDF版と併せて、スマートフォン等の携帯端末やタブレット型PCにおいても閲覧が可能となる「電子書籍版」を発刊します。読者の興味・関心のある技術分野毎(章別)にダウンロードが可能です。
2.お問い合わせ先
(本プレスリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 新エネルギー部 担当:和佐田 TEL 044-520-5270
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:遠藤 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp