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インドの製鉄所で排熱回収発電設備を実証

―消費電力6%削減が可能に―
2014年7月31日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは2008年度から、インド鉄鋼省と共同で日本の排熱回収技術を用いた実証事業を同国のアンドラ・プラディッシュ州ビシャカパトナムの製鉄所で実施、粉状の鉄鉱石を焼結し冷却する工程で排出される高温空気の顕熱※1を排熱回収ボイラーにより回収し、生成した蒸気を利用して、タービン・発電機にて発電することにより、製鉄所内の消費電力の約6%を削減出来ることを確認しました。
 この排熱回収技術を導入した施設がこのほど完成、7月30日に現地で両国の鉄鋼関係者を集め竣工式を開催しました。

【用語解説】

※1:物質の状態を変えずに、温度を変化させるために費やされる熱量。

  • 排熱回収設備とクーラーフードの写真

1.概要

本事業は、インド鉄鋼業に焼結クーラー排熱回収設備を導入して、我が国の優れた省エネ技術の有効性を実証することにより、本技術のインド国内への普及を図るものです。
 今回導入したシステムは、焼結機(焼結機-1、2)※2下流の焼結クーラー(焼結クーラー-1、2)に排熱回収フードを設置し、冷却の際に排出される高温空気の顕熱を排熱回収ボイラーにより回収し蒸気を生成します。その蒸気をタービン・発電機室内のタービン・発電機にて発電を行うものです。(図1参照)
 このシステムは、これまで単に大気中に放出していた排熱を有効利用しようというもので、排熱利用による省エネルギー効果とCO2ガス削減、冷却空気をクローズドサイクルで利用するため高濃度の煤塵が大気に放散されない環境改善効果、併せて、電力不足解消効果が期待されます。
 この設備は、インドの国営製鉄会社であるRINL(Rashtriya Ispat Nigam Limited)のVIZAG製鉄所(Visakhapatnam Steel Plant、所在地:アンドラ・プラディッシュ州ビシャカパトナム)にある2系列の焼結設備(焼結機-1、2)を対象に、2008年度から実証事業を開始いたしました。
 このほど工事が完了し、実証運転を行い、20.6MWを発電する排熱回収設備が完成しました。この完成により、VIZAG製鉄所全体で使用される電力(約280MW)の約6%をまかなうことができるようになりました(約6%の省エネ効果)。

  • 図1 排熱回収システムフロー図
    図1 排熱回収システムフロー図

事業名:国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業(国際エネルギー使用合理化等対策事業)/国際エネルギー消費効率化等モデル事業/焼結クーラー排熱回収設備モデル事業

事業期間:2008年度~2014年度

事業規模(NEDO予算):約30億円

想定省エネ量:原油換算 約34,000 toe/年, 想定温室効果ガス排出削減効果: 約104,000 t/年(炭酸ガス換算)

委託先:スチールプランテック株式会社

実施サイト:RINL/VIZAG製鉄所(アンドラ・プラディッシュ州ビシャカパトナム)

(本実証事業は経済産業省の支援を受け推進されたものです)

2.今後の予定

今後、インド共和国の他の製鉄所に本設備が導入されることにより、エネルギー多消費産業である鉄鋼業界の省エネルギー並びに電力不足解消、及びCO2ガス削減、また日本企業による設備等の輸出機会の創出などの効果が期待されます。

3.竣工式参加者

事業完了に伴い、2014年7月30日、RINL/VIZAG製鉄所にて竣工式が開催されました。
 日本側からはNEDO植田理事、スチールプランテック 梅澤代表取締役、インド側からはインド鉄鋼省 ジー・モハン クマール次官のほか、インド鉄鋼関係者が多数参加されました。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 省エネルギー部  担当:吉崎(真)、坂本(亮)  TEL:044-520-5284

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部  担当:佐藤(丈)、坂本(信)  TEL:044-520-5151  E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

【用語解説】

※2 焼結機:後段の高炉内での通気性を維持し、高効率な還元を得るために粉状の鉄鉱石を約1,300℃にて5~25mm程度の塊状に焼き固める装置