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3Dプリンターによるカスタムメイド人工骨をEUで製造・販売へ
―NEDOの助成を受けたネクスト21が開発、オランダ企業とライセンス契約を締結―

2015年5月7日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫

NEDOプロジェクトにおいて、3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨CTボーンを開発した(株)ネクスト21が、4月30日にオランダXilloc社とEU諸国における製造・販売に関するライセンス契約を締結しました。今後、Xilloc社が、EU指令93/42/EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、CTボーンの製造・販売を開始します。

3Dプリンターで成形したCTボーン(白色部分)の写真

1.概要

NEDOプロジェクトにおいて、(株)ネクスト21※1、東京大学、理化学研究所などの研究チームは、世界初となる3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨CTボーンを開発しました。研究チームは、NEDO「産業技術実用化開発助成事業」で前臨床試験を実施し、医療基盤研究所(NIBIO)の支援で臨床試験を実施しました。

4月30日に、(株)ネクスト21は、オランダXilloc社※2とEU諸国における製造・販売に関するライセンス契約を締結しました。今回のライセンス契約により、(株)ネクスト21は、欧州での製造販売登録に必要なテクニカルドキュメンテーションを含む製造適合性資料をXilloc社に提供します。その後、Xilloc社が、欧州連合指令93/42EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、登録完了後、EC諸国でのCTボーンの製造・販売を開始することになります。

2.NEDOプロジェクトにおける成果

NEDOプロジェクトで開発したCTボーンは、3Dプリンターで製造するカスタムメイド人工骨です。3Dプリンターでの成形方法は骨内部構造の設計もでき、0.1mmの形状再現ができるため、人工骨の成形には現在の成形技術の中で最も優れた方法です。また、日本国内では自家骨移植が主流ですが、摘出による外科的侵襲や採骨部の形態が変わることが問題でした。従来の人工骨のように熱処理をしていないので、自骨への癒合が早く、優れた治療効果を出すのが特長です。

  • 3Dプリント人工骨の仕組みの図

【用語解説】

※1 (株)ネクスト21
医薬品、メディカルデバイス等の医療新技術の研究開発、製造、販売を手掛けるベンチャー企業。1989年にミック(株)として設立。2000年に社名を(株)ネクストに変更し、2007年から現社名「株式会社ネクスト21」(NEXT21 K.K.)。
※2 Xilloc社
頭蓋・顎顔面のカスタムメイドインプラント製品を世界中の医師に提供することを目的に、2011年オランダ、マーストリヒト市ブライトランズ・ヘルス・キャンパス内に設立された会社。会社の設立に先立ち、2006年に、世界初となる3Dプリンター成形チタン製のカスタムメイド頭蓋骨インプラント製品の製造に成功。現在、オンラインで注文・3Dデザイン修正確認作業を可能にした「MedX」システムを使い、チタン製カスタムメイドインプラント製品を3Dプリンターで製造、販売。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

(株)ネクスト21 代表取締役 鈴木茂樹 TEL:03-5840-8830 E-mail:suzuki@next21.info

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp