本文へジャンプ

明るさ感指標を利用した光環境制御システムにブラインド制御機能を追加
―ブラインドと照明の統合的制御により快適性の向上と省エネルギーを実現―

2015年6月3日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
株式会社大林組

NEDOのプロジェクトにおいて、(株)大林組は、「人が感じる明るさ感」を基に従来の照明制御に加えて、新たに開発したブラインド制御を追加、統合的に制御することで、低照度でありながら明るい印象を維持し、室内光環境の快適性を向上させることができる光環境制御システムを実証評価のため、昭和電機(株)東京支店が入居する神田風源ビル(東京都千代田区)に導入、晴天日の日中の消費電力を63%削減できることを確認しました。

今後は快適性や、年間を通じた終日の消費電力60%削減を実証するとともに、机上の照度を補うタスクライトも含んだ将来の制御技術開発にもつなげて行く予定です。

光環境制御システムを導入した神田風源ビルの写真
光環境制御システムを導入した神田風源ビル

1.概要

NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」において(株)大林組は、「人が感じる明るさ感」を基に室内の光環境を自動制御し、明るい印象を維持しながら消費電力を削減するシステムの開発を進めてきました。

明るさ感の評価には、東京工業大学の中村芳樹准教授が開発した「人が感じる明るさ感」を数値化した指標「明るさ尺度値※1」を利用しており、照度(モノに当たる光の量)ではなく、輝度(目に入る光の量)を基準に制御することにより、低照度でありながら明るい印象を維持することができます。

明るさ感指標を利用した光環境制御システムは、2014年に開発し、大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーションにおいて照明制御の実証試験を行ってきました。従来のシステムは室内の輝度分布から照明のみを制御しており、より室内光環境の快適性を向上させるためにはこのシステムの特長を生かしたブラインド制御方法が必要でした。

そこで今回、さらなる消費電力の削減と快適性の向上を目指し、従来のシステムに、窓面に設置したカメラ画像を利用するブラインド制御機能を追加、統合制御を行う本システムを実証評価のため、昭和電機(株)東京支店が入居する神田風源ビル(東京都千代田区)に導入しました。

2.今回の成果

(1)カメラ画像を利用したブラインド制御

今回開発したブラインド制御システムは、従来の屋上に設置したセンサーを用いる方式(直射日光がある時:室内に入射しない角度で遮蔽、直射日光のない時:水平または上部に巻き上げ)とは異なり、窓面近傍に外向きに設置した魚眼式の輝度カメラの画像を基に、ブラインド面の明るさ感評価を行います。晴曇天判断に加えて周辺建物の影や反射光の影響も反映できますので、窓面ごとの状況に応じ、自然光利用と眩しさ抑制を両立させる制御が可能となります。

(2)ブラインドと照明の統合制御

ブラインド制御によって得られた自然光を室内用の輝度カメラで測定し、輝度画像を基に明るさ感評価を行い、照明制御を行います。机上の照度を補うタスクライトは、執務者の必要に応じた手動調光が可能です。このブラインドと照明の統合制御により、自然光を最大限利用できますので、室内光環境の快適性を向上させながら、消費電力を削減することが可能となります。今回、統合制御による晴天日の日中の削減率63%を確認しました。

また、本システムは、どのメーカーの照明やブラインドにも適用できますので、高い汎用性があります。

3.今後の予定

今後は神田風源ビルで快適性や、年間を通じた終日の消費電力60%削減を目標とする省エネルギー効果を実証するとともに、タスクライトも含めた将来の制御技術開発のため、その利用状態(執務者の在席状況や調光状況等)も評価して行く予定です。

【用語解説】

※1 明るさ尺度値
目の順応や輝度対比といった人の視覚特性を加味した、実際に感じる明るさを評価できる指標。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO省エネルギー部 担当:澤村、菱谷 TEL:044-520-5281

株式会社大林組 CSR室広報部広報第一課 担当:鈴木 TEL:03-5769-1014

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、佐藤、高津佐 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

関連ページ