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タイでバイオエタノール製造技術の実証を開始
―サトウキビの搾りかすを有効利用へ―

2015年8月31日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫

NEDOとタイ王国工業省サトウキビ・砂糖委員会(OCSB)が、タイ王国内に建設を進めてきたバイオエタノール製造プラントが完成、8月29日に実証運転を開始しました。砂糖の製造工程で発生するサトウキビの搾りかす(バガス)からバイオエタノールを効率的に製造する技術の実証を行うもので、2017年2月までの実証運転を通じ、食料と競合しない未利用資源の有効利用を検証します。

将来的には、タイ国内だけでなく、サトウキビの栽培を行っている東南アジア地域へ普及を拡大、温室効果ガスの排出削減を目指します。

竣工したバイオエタノール製造プラントの写真
竣工したバイオエタノール製造プラント

  • 事業期間: 2012年~2017年
  • 施設規模: バガス処理能力1,300トン/年
  • バイオエタノール生産規模: 100㎘/年
  • 予算規模: 約12億円(うちNEDO負担 約10億円)
  • 委託先: 月島機械株式会社、JFEエンジニアリング株式会社
  • 設置場所: タイ王国サラブリ県 Thai Roong Ruang Energy Co., Ltd.

1.概要

タイ王国は、近年の急速な経済発展により、エネルギー消費量が著しく増加傾向にあるものの、その大半を輸入に依存しており、エネルギー供給不足への対策が喫緊の課題になっています。タイ政府はエネルギーの安定供給のために、バイオエタノールの増産を目指す方針を掲げています。また、タイ王国は、世界トップレベルのサトウキビ生産量を誇ります。

砂糖の製造工程で原料であるサトウキビから砂糖を抽出したときに、バガスと呼ばれるサトウキビの搾りかすが発生します。バガスは、通常製糖工場においてボイラ燃料として使用されますが、製糖工場で必要な量は供給量の60~80%で、残りは余剰バガスとして廃棄されており有効利用されていないのが現状です。

このような背景のもと、NEDOは、食料と競合しないバイオマス資源として余剰バガスに着目し、余剰バガスを原料してバイオエタノールを効率的に製造する技術を実証します。具体的には、月島機械(株)が長年開発してきた酵素生産微生物※1による酵素オンサイト生産技術※2と同時糖化発酵技術※3とを用いて、安価にバイオエタノール製造を行います。この度、NEDOとタイ王国工業省サトウキビ・砂糖委員会※4がタイ王国内に建設を進めてきたバイオエタノール製造プラントが完成し、8月29日に実証運転を開始しました。

食料と競合しない未利用資源の有効利用を検証し、同国におけるバイオエタノール増産に貢献することを目指します。

  • バガスからのバイオエタノール製造工程フローの図
    バガスからのバイオエタノール製造工程フロー

2.竣工式について

バイオエタノール製造プラントの工事の完了に伴い、8月29日(土)、現地サラブリ県のTRE社にて竣工式を開催。日本側はNEDO土屋理事、委託先である月島機械株式会社中島取締役専務執行役員、JFEエンジニアリング株式会社橋本部長、タイ側はウィサヌ副首相、ユッタサク前副首相、OCSBピチャイ事務局長、サラブリ県ウィチェン知事、TRE社スワット会長などが出席しました。

3.今後の予定

今後、2017年2月までの実証運転を通じて、運転条件の確立を図ります。また、実証プラント運転状況を見ながら、並行して事業化に向けた商用モデルの設計、調査を開始します。

【用語解説】

※1  酵素生産微生物
Acremonium cellulolyticus
※2 酵素オンサイト生産技術
酵素をエタノール生産設備内にて生産する技術。
※3 同時糖化発酵技術
糖化と発酵を一つの反応槽内で行う技術。
※4 タイ王国工業省サトウキビ・砂糖委員会
OCSB(The Office of the Cane and Sugar Board)
さとうきびと砂糖生産の管理を行うタイ工業省管轄下の組織。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:澤 TEL:044-520-5271

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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