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CO2分離・回収型酸素吹石炭ガス化複合発電の実証事業を開始
―CO290%回収で発電効率40%を目指す―

2016年4月4日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫

NEDOは、石炭火力発電から排出されるCO2を大幅に削減するため、酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)実証試験設備にCO2分離・回収設備を付設するCO2分離・回収型酸素吹IGCCの実証事業を今年度から開始しました。

本実証事業では、酸素吹IGCCにおいて、CO2を90%回収(全量ガス処理)しながらも、現状の微粉炭火力と同等レベルの送電端効率(高位発熱量基準)40%の達成を目指します。

石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業の概要の図
図.石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業の概要

1.概要

NEDOは、石炭火力発電から排出される二酸化炭素(CO2)を大幅に削減するため、究極の高効率石炭火力発電技術である石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)※1とCO2分離・回収を組み合わせた革新的な低炭素石炭火力発電の実現を目指す「石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業」に取り組みます。

NEDOの助成事業として今年度から開始した第2段階※2では、酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)※3実証試験設備とCO2分離・回収設備を組み合わせたCO2分離・回収型酸素吹IGCC※4の石炭火力システムとしての性能や運用性、信頼性、経済性についての実証を実施し、酸素吹IGCCにおいて、CO2回収時のエネルギーロスによる発電効率の低下という課題に対し、CO2を90%回収(全量ガス処理)しながらも、現状の微粉炭火力※5と同等レベルである送電端効率※6(高位発熱量基準)40%の達成を目指します。

また、今年度、経済産業省よりNEDOが引き継ぐこととなった第1段階の酸素吹IGCCの実証については、大崎クールジェン株式会社※7が実施主体となって、中国電力株式会社の大崎発電所構内に実証試験設備を建設し、2015年度から試運転を開始しました。2017年3月には実証運転が開始される予定で、第1段階終了後の2020年頃には、送電端効率(高位発熱量基準)46%~50%(現状40%程度)、CO2排出原単位※8650g-CO2/kWh程度(現状より20%程度削減)の達成を可能とすることにより、酸素吹IGCCの技術確立を目指します。

2.事業の内容

(1)事業名

石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業

(2)事業総額

第1段階:292億円(補助金ベース)(うち経済産業省直執行:206億円)
第2段階:183億円(補助金ベース)

(3)期間

第1段階:2012年度~2018年度(経済産業省直執行:2012年度~2015年度)
第2段階:2016年度~2020年度

(4)助成先

第1段階:大崎クールジェン株式会社
第2段階:大崎クールジェン株式会社、株式会社日立製作所

3.今後の予定

今後、第3段階(2018~2021年度)として、CO2分離・回収型IGCC設備に燃料電池を組み込んだCO2分離・回収型IGFC※9の実証事業を計画しています。その後の大型化および商用機に向けた追加の技術開発、別事業のガスタービン燃料電池複合発電の技術開発等の成果を活用して、2025年頃に、大型IGFCの技術を確立し、送電端効率(高位発熱量基準)55%、CO2排出原単位590g-CO2/kWh程度(現状より30%程度削減)の達成を目指します。

【用語解説】

※1 石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)
石炭をガス化して、燃料電池、ガスタービン、蒸気タービンの3種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式のこと(Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)。
※2 第2段階
次世代火力発電等技術開発/石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業/CO2分離・回収型酸素吹IGCC実証。
※3 酸素吹石炭ガス化複合発電(酸素吹IGCC)
石炭をガス化して、ガスタービン、蒸気タービンの2種類の発電形態を組み合わせて複合発電を行う発電方式(Integrated Coal Gasification Combined Cycle)には、石炭ガス化炉に酸素を供給する酸素吹方式と空気を供給する空気吹方式があります。CO2分離・回収設備と組み合わせる場合には、酸素吹方式の方が総合効率的に優れているとされています。
※4 CO2分離・回収型酸素吹IGCC
CO2分離・回収設備を備えた酸素吹IGCCのこと。
※5 微粉炭火力
現在の石炭火力発電方式の主流。石炭を細かい粒子状に粉砕してボイラで燃焼させ、発生した蒸気でタービンを駆動し、発電する方式。
※6 送電端効率
発電効率には、発電端効率と送電端効率があり、発電端効率は発電機端子で計測した電力量を用い、送電端効率は発電機端子で計測した電力量から所内電力(発電に必要な全補機動力)を差し引いた電力量を用います。
※7 大崎クールジェン株式会社
中国電力株式会社と電源開発株式会社の共同出資により設立。事業内容は、酸素吹IGCC技術及びCO2分離・回収技術に関する大型実証試験設備の建設および試験の実施。本社は、広島県豊田郡大崎上島町。
※8 CO2排出原単位
1キロワット時(1kWh)の電気を発電したときのCO2排出量。
※9 CO2分離・回収型IGFC
CO2分離・回収設備を備えたIGFCのこと。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:山本、在間 TEL:044-520-5293

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、佐藤、髙津佐 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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