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Press Release

次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発(第2期)を開始

―印刷技術でIoTセンサ等の多品種変量生産を目指す―
2016年4月28日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫

NEDOは、あらゆるモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)に必須なセンサの多品種変量生産を可能にする次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発の第2期プロジェクトを今年度から開始しました。

第1期の成果に「カスタマイズ化プロセス基盤技術」と「フレキシブル複合機能デバイス技術」を開発項目に加え、多様な形状と複合機能を有するフレキシブルなIoTセンサを印刷で変量生産できる革新的な「多品種変量生産プラットフォーム」の構築を目指します。

  • 多品種変量生産プラットフォームの図

1.概要

NEDOは、2011年度から「次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発」を実施しています。2011年度から2015年度(第1期)は、全印刷TFT※1の製造基盤技術の確立と表示デバイス、圧力センサへの適用を目指して研究開発を行いました。その結果、フレキシブルなフィルム基板に高精細、高精度に電子回路を印刷する生産技術を開発して、フレキシブルで高精細な全印刷TFTの製造に世界で初めて成功しました。次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)が開発した全印刷TFTの精細度は、市販の電子ペーパー用途のTFTに匹敵します。また、全印刷TFTを用いるデバイスの一例として、株式会社リコーが高反射型カラー表示素子、凸版印刷株式会社が商品陳列棚の電子棚札、大日本印刷株式会社が大面積圧力センサを製作しました。

第2期(2016年度から2018年度)では、第1期の成果を踏まえて、多様な形状と複数機能を有するフレキシブルなIoT※2センサを生産する「多品種変量生産プラットフォーム」※3の構築を目指します。あらゆるモノがインターネットでつながるIoTでは、毎年1兆個を超えるセンサを活用して社会問題を解決する取り組み(Trillion Sensors Universe)※4が期待されています。我々の身の回りの物や公共インフラ等に取り付けられたセンサの情報を収集して解析することで、社会問題を解決する取り組みです。この「1兆個のセンサによる社会変革」の実現には、異なる目的、用途と設置場所に合わせてカスタマイズ化した機能と形状が異なる多くの種類のセンサが必要です。このカスタマイズ化の要求に応えるのが印刷技術を用いる「多品種変量生産プラットフォーム」の構築です。この「多品種変量生産プラットフォーム」を用いることで、多種多様なフレキシブルなセンサを効率的に生産することが可能となり、「1兆個のセンサによる社会変革」を実現して、安全で安心な社会づくりに貢献します。

そのため、第1期の成果を踏まえて第2期では、研究開発項目「カスタマイズ化プロセス基盤技術」と「フレキシブル複合機能デバイス技術」を実施します。研究開発項目「カスタマイズ化プロセス基盤技術」では、顧客の多様なニーズに応える多品種デバイスの製造が容易で、かつ、変量生産であっても高い生産性とコスト競争力を有する技術を開発します。研究開発項目「フレキシブル複合機能デバイス技術」では、印刷で形成するフレキシブルデバイスに高性能な複合機能を安定・高信頼に付与する技術を開発します。いずれの研究開発項目においても、材料とプロセスの開発が重要です。加えて、モデルデバイスを製作して、プリエレ製品の有用性と魅力を体験してもらう取り組みも実施します。更に、ユーザーが自らのアイデアでIoTセンサ等を製作することも支援する予定です。

2.事業の内容

【1】事業名

次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発

【2】事業総額

第1期:
7,946百万円
第2期:
2,100百万円(予定)

【3】期間

第1期:
2011年度~2015年度(補正は2010年度から)
第2期:
2016年度~2018年度

【4】委託・助成先

第1期:
委託/次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合
助成/株式会社リコー、凸版印刷株式会社、大日本印刷株式会社
第2期:

委託/次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立大学法人名古屋大学

3.今後の予定

プリンテッドエレクトロニクスを活用したIoTセンサの普及には、本事業で構築を目指す「多品種変量生産プラットフォーム」を活用した試作・生産の体制に加えて、「新規アプリ創出の仕組み」が必要です。「新規アプリ創出の仕組み」としては、本事業で開発したモデルデバイスを展示会などで体験してもらうことで、フレキシブル/ストレッチャブル/カスタマイズ対応の機能を有するプリエレ製品の有用性と魅力を広く紹介します。更に、新規プリエレ製品のアイデアを保有するベンチャー企業の発掘を目指します。また、「試作・生産の体制」では、本事業で構築した「多品種変量生産プラットフォーム」の担い手づくりを目指します。

【用語解説】

※1 全印刷TFT
従来技術であるフォトリソ法を用いずに、印刷技術のみで製造した液晶デバイス等に用いる薄層トランジスタ(TFT)。印刷法では低温(120℃以下)の製造が可能なので、フレキシブルなポリマー基板に高性能なTFTを製造できる。
※2 IoT
あらゆるモノがインターネットでつながるIoT(Internet of Things)では、モノに取り付けたセンサで、画像、温度、匂い、変形、振動等のあらゆる情報を取り込み、この情報をインターネットを介して収集して処理することで、社会的な問題を解決することを目指す。
※3 多品種変量生産プラットフォーム
短時間で品種の変更が可能であり、少量生産においても高い生産性を有する「電子回路の印刷製造技術」。印刷版を簡便に書き換える技術等の開発が不可欠である。
※4 Trillion Sensors Universe(トリリオン・センサーズ・ユニバース)
毎年1兆個のセンサを活用する社会で、2025年頃には、実現すると考えられている。1兆個は、現在のセンサ需要の100倍、世界の70億人が150個ずつ使う規模だ。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO IoT推進部 担当:風間、神代 TEL:044-520-5211 E-mail:iot@ml.nedo.go.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:坂本、佐藤、髙津佐 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp