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インフラ維持管理用ロボットの開発を強化、基準作りにも着手
―物流、災害対応分野での利用も目指す―

2016年6月30日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫

NEDOは、橋梁や河川などのインフラを維持管理するロボットの開発を強化するとともに、ロボットを安全・安心に利用するためのロボットの性能基準や試験方法の基準作りに新たに着手します。

今回の開発は、2014年度から実施しているインフラ維持管理ロボットの開発プロジェクトの中の新たなテーマとして開始するもので、NEDOはこれらの開発を通じて、インフラ点検、物流、災害対応などの様々な分野において、各種ロボットが利用され活躍することを目指します。


ロボットの適用イメージ

1.概要

高度成長期(1950年代~1970年代)を中心に大量に整備された社会インフラや産業インフラの老朽化が進んでいますが、このようなインフラの維持管理・更新などを行う際、財政問題や人材・技術不足が課題になっています。この課題解決に向けて、NEDOは2014年度から「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」において、的確にインフラの状態を把握できるモニタリングシステムの技術開発および維持管理を行うロボット・非破壊検査装置の技術開発を推進するとともに、人の立ち入りが困難もしくは人命に危険を及ぼすインフラ災害現場での情報収集を可能にするロボットの技術開発を実施しています。

今般、NEDOはこれまでのプロジェクトの取り組みに加えて、橋梁や河川などのインフラを維持管理するロボット開発を強化するとともに、ロボットが安全・安心に利用されることを目指したロボットの性能基準や試験方法の基準作りに新たに着手します。

ロボット開発では新たに4テーマを採択し、橋梁や河川にあるインフラ構造物に対して、人間の立ち入りが困難な箇所へ移動し、インフラの維持管理に必要な情報を取得できるロボットの開発と実証実験を実施します。またロボットに求められる基準策定については、「無人航空機を活用した物流」、「無人航空機や水中ロボットを活用したインフラ点検」、「無人航空機や陸上ロボットを活用した災害対応」など、さまざまな場での活躍が期待される無人航空機をはじめとするロボットについて、求められる性能基準、安全基準などを明らかにし、その基準を測定する試験方法を開発します。

これらの取り組みを通じて、インフラ点検、物流、災害対応などの様々な分野において、各種ロボットが効果的に利用され、活躍する未来につなげることを目指しています。

2.採択テーマ一覧

【1】ロボット技術開発
研究開発テーマ 助成予定先 ロボットのイメージ
橋梁桁端部点検診断ロボットの開発 ジビル調査設計株式会社
小型無人ヘリを用いた構造物点検技術開発 ルーチェサーチ株式会社
磁石走行式ロボット等を活用した橋梁点検システムの開発 株式会社熊谷組、株式会社移動ロボット研究所
オートパイロット可能な水中点検ロボットの開発 朝日航洋株式会社
【2】ロボット性能評価手法等の研究開発
採択テーマ 委託予定先
無人航空機を活用した物流システムの性能評価手法等に関する研究開発 株式会社自律制御システム研究所
無人航空機等を活用したインフラ点検ロボットシステムの性能評価手法等の研究開発 富士通株式会社、日本電気株式会社、株式会社イクシスリサーチ、株式会社エンルート、株式会社プロドローン
インフラ維持管理等に資する水中ロボットの性能評価手法等の研究開発 パナソニックシステムネットワークス株式会社、パナソニック株式会社、朝日航洋株式会社
調査用無人航空機の評価手法の研究開発 富士重工業株式会社
陸上移動ロボットの防爆性能評価手法等の研究開発 三菱重工業株式会社
各種ロボットの性能評価基準の策定等の研究開発 一般財団法人製造科学技術センター

3.お問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO ロボット・AI部 担当:安川、宮本、内山 TEL:044-520-5241
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:高津佐、佐藤、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp