本文へジャンプ

低温室効果冷媒を使用した中小型空調機器開発に着手
―パリ協定の温室効果ガス排出削減目標に貢献―

2016年7月25日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOは、高効率で低温室効果を有する冷媒の開発と、それを使用した高効率な中小型空調機器開発に着手します。

開発する冷媒の安全性・性能評価を実施し国際規格化を目指すとともに、家庭用空調機器などを対象に省エネ化と低温室効果冷媒への転換を促進します。

これらの取り組みを通じて、パリ協定における日本のハイドロフルオロカーボン(HFC)排出削減目標である2030年までに約1020万t-CO2(2013年比で32%削減)の削減達成に貢献します。

1.概要

かつて冷凍空調機器用冷媒として使用されていた特定フロン※1(CFC※2、HCFC※3)はオゾン層を破壊することから、代替フロン※4(HFC※5)への転換が進められてきました。しかし、HFCは温室効果が高く地球温暖化を促進するという問題点が指摘されています。HFCの市中ストック量※6の増加に伴い、大気中への排出量も増加し、その温室効果の高さによる環境影響が現在問題となっています。

このような背景から国際的なフロン規制は、温室効果ガス排出量削減を強化する観点から動きが進んでおり、今後、パリ協定などの地球温暖化対策に係る国際的な規制により、現在使用している冷媒が使用できなくなる可能性があります。

一方、冷媒の市中ストック量が格段に多いのは家庭用空調機器分野であり、この分野におけるより低温室効果な冷媒への転換が強く求められています。

これらを踏まえ、今般、NEDOプロジェクト「高効率低GWP※7冷媒を使用した中小型空調機器技術の開発」(2016~2020年度)において、家庭用空調機器などの中小型空調機器分野を対象に、小型化や安全性を確保した上で、低温室効果冷媒への転換を可能にする要素技術開発に着手します。

研究開発の内容は次の通りです。

  • 【1】高効率かつ低温室効果の中小型空調機器を実現するため、コアとなる以下の要素技術およびシステム全体について開発を行う。
    • ・高効率かつ低温室効果の冷媒の開発
    • ・低温室効果冷媒で高効率化を達成する主要機器(圧縮機、熱交換器等)の開発
  • 【2】低温室効果冷媒について、使用条件に対応した安全性評価、性能評価を行い、国際規格などへの提案を行う。

また、本プロジェクトの成果により、開発する冷媒の安全性・性能評価の国際規格化を目指すとともに、家庭用空調機器分野における省エネ化と低温室効果冷媒への転換を促進します。これらの取り組みを通じて、パリ協定における日本のHFC排出削減目標である2030年までに2013年比で約1020万t-CO2(32%)の削減達成に貢献します。

2.採択テーマと委託及び助成予定先

採択テーマ 委託および助成予定先
高効率かつ低温室効果の冷媒の開発 旭硝子株式会社(助成)
低GWP冷媒を使用した高効率ルームエアコンの開発 パナソニック株式会社(助成)
自然冷媒を適用したルームエアコンの研究 三菱電機株式会社(助成)
高効率エジェクタを使用したCO2冷媒空調システムの開発 株式会社デンソー(助成)
事故シナリオに立脚した低GWP冷媒の燃焼性評価とリスクアセスメント 学校法人東京理科大学(委託)
中小型空調機器に適合する新規低GWP冷媒の物性評価および基本サイクル性能評価 国立大学法人九州大学(委託)
低GWP冷媒を用いた空調機器の性能および安全性評価 国立大学法人東京大学(委託)
自然冷媒を用いた中小型家庭用室内空調機の実寸大フィジカルハザード評価 国立研究開発法人産業技術総合研究所
安全科学研究部門(委託)
低GWP低燃焼性混合冷媒の安全性評価 国立研究開発法人産業技術総合研究所
機能化学研究部門(委託)

【用語解説】

※1 フロン
冷媒の商標。転じてフッ化物である冷媒・工業用ガスの総称に用いられる。
※2 CFC
クロロフルオロカーボンの略称。フロンの一種で、低分子有機物の水素を全てフッ素・塩素で置換した人工化合物。
※3 HCFC
ハイドロクロロフルオロカーボンの略称。フロンの一種で、低分子有機物の水素を一部フッ素・塩素で置換した人工化合物。
※4 代替フロン
オゾン層破壊源となる塩素を含まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)などの化合物。
※5 HFC
ハイドロフルオロカーボンの略称。オゾン層破壊効果はないものの強力な温室効果ガスであり、パリ協定において排出削減の対象となっている。
※6 市中ストック量
市中で稼働している冷凍空調機器に使用されている冷媒の総量。
※7 GWP
地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)。CO2を1として、温暖化影響の強さを表す。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 環境部 担当:神戸、山下、阿部(正) TEL:044-520-5251

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、佐藤、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp