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世界初、キャッサバパルプを用いたバイオエタノール製造プラント実用化へ

―温室効果ガス約12万トン/年の削減を目指す―
2017年1月10日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川 一夫

NEDOプロジェクトの成果をもとに、サッポロホールディングス(株)とタイ企業のInnotech Green Energy Company Limitedは、1月9日、キャッサバパルプを用いたバイオエタノール製造プラントの世界初となる実用化に向けて、バイオエタノール製造技術の提供およびプラント設計に関するコンサルティング契約を締結、年産6万klのプラント建設に向けた事業性評価(FS)を開始します。

このプラントの温室効果ガス削減効果は約12万トン/年と試算され、今後、タイ国内にとどまらず、キャッサバ栽培が盛んなASEAN諸国へのバイオ燃料製造技術の普及、エネルギー・環境問題の解決に貢献していきます。

  • 図
    図.バイオエタノール製造工程の概念図

1.概要

NEDOは、キャッサバパルプ※1を用いたバイオエタノール事業の実用化のために、タイ科学技術省国家イノベーション庁(NIA)と基本協定書を締結し、2011年度から実証事業(委託先:サッポロビール株式会社=現サッポロホールディングス株式会社)/磐田化学工業株式会社)を開始し、2014年4月にタイ王国サケーオ県のEBP社※2敷地内でプラントを竣工、2015年11月まで実証運転を行いました。それまで、キャッサバパルプは、繊維分を多く含むためバイオエタノールの原料として利用できませんでした。そこで、サッポロホールディングス(株)が酒類製造で培ってきた発酵技術と知見を生かし、NEDOプロジェクトにおいて、キャッサバパルプの原料利用を可能とする製造技術を実証し、有用性を確認しました。これによって食料と共存できる持続可能なバイオエタノール製造を実現しました。

2017年1月9日、NEDOプロジェクトの成果をもとに、サッポロホールディングス(株)とタイ企業のInnotech Green Energy Company Limited(以下、IGE社)※3は、キャッサバパルプを用いたバイオエタノール製造プラントの世界初※4となる実用化に向けて、バイオエタノール製造技術の提供およびプラント設計に関するコンサルティング契約を締結しました。同日に開催された調印式では、NIAパンアー長官、NEDO土屋理事が参加し、祝辞を述べました。

今後、サッポロホールディングス(株)とIGE社は、キャッサバパルプを用いたバイオエタノール事業の実用化のため、年産6万klの製造能力を持つプラント建設に向けた事業性評価(FS)を開始します。このプラントの温室効果ガス削減効果は約12万トン/年と試算され、エネルギー・環境問題の解決に大きく貢献することができます。

2.今後の予定

サッポロホールディングス(株)は、IGE社と具体的な設計作業と収益性の確認を進め、その後、プラント建設について具体的な検討を始めます。タイ国内にとどまらず、キャッサバ栽培が盛んなASEAN諸国へのバイオ燃料製造技術の普及を目指し、世界の環境保全に貢献していきます。

【用語解説】

※1 キャッサバパルプ
キャッサバイモからタピオカを抽出した後に発生する残渣。タイ王国は、世界最大のタピオカ輸出国で、キャッサバパルプは年間260万トン排出されています(2014年推定)。本事業の成果を用いて、キャッサバパルプをバイオエタノールに変換した場合、年間約85万klの製造が可能です。同国では、2021年のエネルギー使用量に占める代替エネルギーの割合を25%、このうちバイオエタノール導入目標として9,000kl/日(DEDE:Department of Alternative Energy Development and Efficiency, Ministry of Energy)を掲げていることから、本技術の確立により、同国の代替エネルギーの目標達成に貢献できると考えています(2013年の導入実績:約2,600kl/日、DEDE)。
※2 EBP社(Eiamburapa Co., Ltd)
デンプンの加工会社。同社グループのタイ国内におけるデンプン製造シェアは約3割。日本をはじめとして、中国、ASEAN諸国にも製品を輸出しています。キャッサバパルプの提供を行う予定です。
※3 Innotech Green Energy Company Limited(IGE社)
バイオエタノールを混合したガソリンの販売を行うPTG Energy Public Company Limited(PTG社)およびEiamburapa Co., Ltd (EBP社)が設立する合弁会社。バイオエタノールの製造を行う予定。
※4 世界初
サッポロホールディングス(株)調べ

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:井出本、鈴木 TEL:044-520-5271

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp