インド政府と系統用蓄電システム分野で協力
―実証前調査(FS)の公募を開始へ―
2017年1月10日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 古川一夫
NEDOは、再生可能エネルギーの普及拡大を進めるインドにおいて、系統用蓄電システム導入に向けた実証前調査(FS)を開始します。これは、1月9日にインドにおいて経済産業省およびインド政府の間で合意された、系統安定化問題の解決を図るための蓄電システム導入に向けた協力に基づくもので、公募は1月下旬頃開始の予定です。
1.概要
インド政府は、2022年までに太陽光・熱発電1億kW、風力6,000万kW、バイオマス1,000万kW、小水力500万kWの導入目標を掲げており、世界でも有数な再生可能エネルギー導入量※1を目指して、電力系統の強化策を進めています。具体的には、変動性のある再生可能エネルギーの普及拡大に向けて、州内・州間送電系統の強化や再生可能エネルギーの発電量の予測や監視を行う再生可能エネルギー管理センター(REMC)の設置などの取り組みを進めています。
その強化策の一つとして、日本の有する蓄電池とその材料に関する優れた技術や、電力系統上の複数の蓄電池の充放電を統合制御する技術の実証実績がインドにおいて注目されてきました。
こうした状況を踏まえ、2015年12月の日印首脳会談のファクトシート※2おいて「インドでのエネルギー貯蔵技術の配備に向けた適切な措置に関する調査の開始」が記載されたことを端緒に、日インド両政府は、変動性のある再生可能エネルギーの普及拡大に向けたエネルギー貯蔵システム導入に関する検討を進めてきました。
この度、インドにおいて、世耕経済産業大臣とインド・ゴヤル電力・石炭・新・再生可能エネルギー大臣が、系統用蓄電システムの実証前調査(FS)を実施することで合意しました。この合意に基づき、NEDOは、インドにおいて、系統用蓄電システムの実証事業の詳細な計画を作るための実証前調査を開始します。公募は1月下旬頃開始の予定です。
【用語解説】
- ※1 世界でも有数な再生可能エネルギー導入量
- 出典 INDC (India’s Intended Nationally Determined Contribution: Working Towards Climate Justice)
- ※2 ファクトシート
- 2015年12月12日に行われた安倍総理大臣とインドのモディ首相の日印首脳会談において、「ファクトシート:平和と繁栄のための協働」が署名された。
2.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO スマートコミュニティ部 担当:松村、出脇 TEL:044-520-5274
NEDO 国際部 担当:大嶋、木場 TEL:044-520-5190
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:藤本、坂本、髙津佐 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp