IoT社会実現に向けた新たな技術開発6テーマを採択
―データ解析処理性能の従来比10倍以上を目指す―
2017年6月13日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 古川一夫
NEDOは、2030年の高度IoT社会の実現に向けて、データ解析やセキュリティ分野を対象に処理効率や速度などで従来比10倍以上の性能を目指す新たな技術開発6テーマを採択しました。
今後、システムとしてデータを収集、蓄積、解析するために必要な基盤・実装技術やそれらに必要なセキュリティ基盤技術などの研究開発を行い、これら技術を用いて社会・産業の変革と効率化を加速させます。

1.概要
あらゆるモノがインターネットにつながるIoT社会が進展するなか、大量のデータを社会のさまざまな場面で一層活用していくためには、技術シーズの更なる性能向上とシステム全体としての最適化が求められます。このような背景のもとNEDOでは、「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」において、2030年の高度IoT社会の実現を目指し、革新的かつ分野横断的な基盤技術開発について昨年7月に12件の研究開発テーマに着手しました。今回、新たに事業者の追加採択を行い、データ解析やセキュリティ分野を対象に処理効率や速度等を従来比で10倍以上とする6件の研究開発テーマに着手します。
本プロジェクトでは、システムとしてデータを収集、蓄積、解析するために必要となる基盤・実装技術とそれらに必要となるセキュリティ基盤技術などの研究開発を行い、ユーザーとも連携することで新技術の社会実装を進めていきます。これによりIoT技術を用いて、社会・産業の変革と効率化を加速させます。
2.委託予定先
以下の6件が委託予定先です。各テーマの概要は別紙1の通りです。
分野 | 委託予定先(代表提案者) | テーマ名 |
---|---|---|
解析 | 国立大学法人東京大学 | 高速ビジョンセンサネットワークによる実時間IoTシステムと応用技術開発 |
解析 | 国立大学法人東京大学 | ドメイン特化型IoTプラットフォームの研究開発 |
解析 | 国立大学法人大阪大学 | Field Intelligence搭載型大面積分散IoTプラットフォームの研究開発 |
セキュリティ | 学校法人立命館 | 複製不可能デバイスを活用したIoTハードウェアセキュリティ基盤の研究開発 |
セキュリティ | アラクサラネットワークス株式会社 | 次世代産業用ネットワークを守るIoTセキュリティ基盤技術の研究開発 |
分野 | 委託予定先(代表提案者) | テーマ名 |
---|---|---|
解析 | さくらインターネット株式会社 | 実社会ビッグデータ処理基盤を実現する大規模データセンター構築・運用技術の研究開発 |
3.採択テーマ例
【解析分野】「高速ビジョンセンサネットワークによる実時間IoTシステムと応用技術開発」
カメラのネットワーク化と高速フィードバックを実現し、リアルタイム・高速なIoT解析システムを実現します。工場等における検査・FA(ファクトリー・オートメーション)を対象にその有効性を検証し、事業展開を目指します。
-
図2 テーマ概要
【セキュリティ分野】「複製不可能デバイスを活用したIoTハードウェアセキュリティ基盤の研究開発」
サプライチェーンにおけるデバイスセキュリティーの強化、センサデバイスへのセキュリティ機能付与、フレキシブルデバイスへの低コストセキュリティ機能搭載を実現し、IoT末端系のハードウェアセキュリティを飛躍的に向上します。電子パスポート、監視カメラ、フレキシブルセンサへの適用により事業展開を目指します。
-
図3 テーマ概要
4.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO IoT推進部 担当:千田、山下、植野 TEL:044-520-5211
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:坂本、髙津佐、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp
資料
-
別紙1(2.3MB)