NEDOは、小型家電などの廃製品からレアメタルなどの金属資源を有効に活用するため、低コストで高効率なリサイクルを可能とする革新的な基盤技術を開発します。廃製品の解体・選別の自動化、製錬の低コスト化、動脈産業と静脈産業の連携強化などを促進することで、従来リサイクルビジネスが成立しにくかった種類の金属を含めて、都市鉱山の資源活用を目指します。
小型家電などの資源価値の高い廃製品に含まれる、鉄、アルミ、銅など産業上の主要な金属(ベースメタル)や、金、銀、白金などの貴金属については、既に国内でリサイクルビジネスが成立しています。一方、レアメタル(希少金属)※1、特に希土類元素については価格が下落※2した現在、コストや手間が大きいため、国内で経済的なリサイクルビジネスの成立は困難と言われています。そのため、レアメタルは、リサイクルコストの安いアジアなどの外国への流出や、他の廃棄物から分別されないままセメント材料等への再利用など、国内で金属資源として再利用されていない状況にあります。
そこでNEDOは、電気・電子機器の廃棄物をリサイクルして、そこからベースメタル、貴金属、レアメタル等を取り出し再利用する、いわゆる都市鉱山※3の資源活用のため、さまざまな金属資源を対象とした効率的なリサイクルを可能とする基盤技術の研究開発事業「高効率な資源循環システムを構築するためのリサイクル技術の研究開発事業(2017~2022年度)」を実施します。これにより、廃製品の解体・選別の自動化、製錬※4の低コスト化、動脈産業※5と静脈産業※6の連携強化などを促進し、都市鉱山の資源活用を目指します。
有用金属のリサイクルを実現するための課題は、コストや手間の大きさや、動脈産業と静脈産業の連携不足等の社会システムの非効率さにあると考えられます。そこで、本事業では、4つの研究開発項目を設定しています。このうち、コストや手間を小さくするための技術開発(1)~(3)を今年度より開始します。動静脈連携等の社会システムの効率化を目指すシステム開発(4)については、2020年度の開始を予定しています。これらの技術基盤を構築することにより、2022年度以降に、廃製品から金属をリサイクルするコストを、天然資源から金属を生産するコストと競合可能とすることを目指します。
国立研究開発法人産業技術総合研究所、大栄環境株式会社、佐藤鉄工株式会社、株式会社リーテム、DOWAエコシステム株式会社、株式会社三徳、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、国立大学法人京都大学、国立大学法人大阪大学、国立大学法人佐賀大学
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