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次世代型スマートモビリティ「RODEM(ロデム)」が医療・介護現場に導入
―量産屋内モデル第1号を草津総合病院へ納入―

2018年8月28日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDO事業の成果をもとに、(株)テムザックが開発した次世代型スマートモビリティ「RODEM(ロデム)」の量産屋内モデル第1号が、草津総合病院へ納入されました。

ロデムは、NEDOの「ロボット分野の国際研究開発・実証事業」で得られた検証結果を活用し、スムーズな移乗・移動を可能とする次世代型スマートモビリティとして開発されたものです。

今後、本製品が普及することで、医療・介護の現場において被介助者の自立支援や介助者の負担軽減に大きく貢献することが期待されます。

RODEM(ロデム)の写真
図1 次世代型スマートモビリティ「RODEM(ロデム)」

1.概要

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ロボット分野の国際研究開発・実証事業」において、株式会社テムザックは、移乗が簡単な車いす型ロボットの実証機を開発し、日本同様に少子高齢化が進み、医療や介護などにかかる費用が国家財政の多くを占めるデンマークにおいて、介護や福祉に従事する方々の負担軽減や、車いすを利用する方々の自立支援に関する検証を行ってきました。実証試験の実施にあたっては、2014年にNEDOとデンマークのコペンハーゲン、ファーボ・ミッドフュンの両市の間で基本協定書(MOU)を締結し、現地の介護・福祉施設における臨床試験などを通して商用機に必要な技術的課題やマーケティングの基盤情報の抽出を行いました。事業終了後も、引き続き同社が実際の商用機の開発やマーケティング戦略の立案を重ねた結果、2017年11月にスムーズな移乗・移動を可能にする次世代型スマートモビリティとして、「RODEM(ロデム)」の製品化を発表しました。

今般、ロデムの量産屋内モデル第1号が、社会医療法人誠光会 草津総合病院(所在地:滋賀県草津市)に納入されました。草津総合病院では、座れるが歩けない人の、自分で動きたいというニーズに応えるために導入がなされました。乗り移りも容易で、生活範囲が広がり、歩いている人と同じ目線で会話ができます。

今後、本製品が普及することで、医療・介護の現場において、被介助者の自立支援や介助者の負担軽減に寄与することが期待されます。

2.「RODEM」の特徴

「RODEM」は、スムーズな移乗・移動を可能にするユニバーサルデザインの次世代型スマートモビリティであり、時にはロボット、時にはモビリティ(乗り物)、時には車いすとしての役割を1台で果たします。前方から「座る」形式の一般的な車いすとは異なり、後ろから「座る」形式を特徴とし、体の向きを変えることなくベッドや椅子、トイレなどへの移乗が可能となり、ユーザーの背中や腰にかかっていた負担を大幅に軽減するなど、実用化に即した機能に絞り込み、被介助者と介助者双方の負担を減らす工夫を凝らしています。主な特徴は以下の通りで、生活の質(QOL)を向上させる機能を有し、ユーザーの質の高い生活を実現するための自立・移動を支援します。

  • 【1】ベッドや椅子からの乗り移りがスムーズに行える
  • 【2】狭い場所でも旋回しやすい
  • 【3】スマートフォンで遠隔操作できる
  • 【4】歩行者と視線の高さを合わせることができ、会話がしやすい
  • 【5】生活空間を広げ、自立度がアップする
  • 【6】前傾姿勢により、気持ちが前向きになる
  • 図2 スムーズな移乗が可能、図3 ジョイスティックで直感操作
  • 図4 スマートフォンで遠隔操作、図5 歩行者と同じ目線、図6 前かがみ作業が簡単

【注釈】

※ ロボット分野の国際研究開発・実証事業
「環境・医療分野の国際研究開発・実証プロジェクト/ロボット分野の国際研究開発・実証事業/デンマークにおける生活支援ロボットを活用した介護サービス提供に係る国際研究開発及び実証事業」(2013~2014年度)のこと。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:綾、小林 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:髙津佐、坂本、藤本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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