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太陽光発電の輸送分野における普及に向けた国際調査活動を開始
―自動車への搭載による効果などをまとめ、2020年度末までに成果を公表―

2018年10月25日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭

NEDOは、太陽光発電の輸送分野における普及に向けた国際的な調査活動「IEA PVPS Task17『PV and Transport』」を開始しました。

本活動は、国際研究協力プログラム「IEA PVPS」の新たな研究テーマとしてNEDOが提案し、承認されたものです。活動にはドイツやオーストラリアなどが参加し、輸送分野における太陽光発電の利用拡大を目指して、太陽光発電システムを自動車に搭載した場合の効果や、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていきます。2020年度末までの活動期間中に成果レポートを作成し、公表する予定です。

本活動への関心を表明している国は多く、今後は参加国がさらに増え、活動が活発化することが期待されます。

1.概要

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会」※1(以下、国内委員会)を2016年4月に設置し、太陽光発電システム搭載自動車の価値についての調査、検討に取り組んでいます。また、欧米や中国などの海外でもCO2削減に向けた取り組みの1つとして自動車の電動化が加速していることから、各国専門家との議論を行ってきました。

こうした議論を踏まえ、太陽光発電システム搭載自動車を含む太陽光発電の輸送分野での活用の価値を各国と検討、共有することを目的とし、2017年12月1日に、国際エネルギー機関(IEA)の技術協力プログラムの1つである「国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)」※2の執行委員会へ、NEDOから新たな研究テーマ「PV and Transport」とその運営責任者(学校法人早稲田大学の廣田寿男客員教授)を提案し、全会一致のもと、正式に承認を受けました。

「IEA PVPS」は「太陽光発電システムが持続可能なエネルギーシステムとして国際協力を推進すること」を使命とする活動で、「PV and Transport」は運営責任者である廣田客員教授を中心に調査を進め、2020年度末までの活動期間中に成果レポートを作成、公表する予定です。NEDOは廣田客員教授と連携し、本テーマに関する国内委員会での議論の結果を国際調査活動向けに発信するとともに、国際調査の結果を国内委員会での議論に反映し、太陽光発電の輸送分野での普及を強力に推進していきます。

今般、その活動の着実な一歩として、2018年10月12日にスイスのベルン大学でキックオフミーティングを開催し、本格的に活動を開始しました。同キックオフミーティングには、既に正式参加を決めている日本、ドイツ、オーストラリアのほか、オランダ、フランス、スイス、モロッコを加えた計7カ国が参加し、活動計画書の具体化や各国の役割分担について議論しました。

今後、輸送分野での太陽光発電の利用拡大を目指して、太陽光発電システム搭載自動車のCO2排出量削減効果やユーザーが得られる利便性、その実現のために太陽光発電に要求される仕様などについて、国際的に調査を行っていきます。自動車などへの太陽光発電システムの搭載については、電動化への貢献の期待とともに世界各国でも熱心にその取り組みが進められているため、「PV and Transport」への参加国は今後も増え、さらに有意義な議論と連携を図ることが期待されます。

NEDOは今後もこの活動を推進し、太陽光発電の輸送分野における普及と新たな市場創出を通じ、エネルギー・環境問題解決に貢献することを目指します。

【注釈】

※1 「太陽光発電システム搭載自動車検討委員会」
太陽光発電システムの「新たな市場創出」と「エネルギー・環境問題解決へのさらなる貢献」に向け、自動車搭載太陽光 発電システムの意義・効果について調査・検討するため、2016年4月にNEDOに設置しました。今後は、研究テーマ「PV and Transport」についての国内議論をこの委員会において取りまとめます。
※2 「国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)」
太陽光発電の国際的な普及促進を目的に、1993年にOECD先進21カ国およびEUが実施協定を締結。日本は、NEDOが本プログラムの締結者として外務省から経済産業省を通して指定され、活動しています。現在「IEA PVPS」には27カ国に加え、5者のスポンサー(欧州太陽光発電協会など)が参加しており、参加者数はIEAの研究実施協定プログラムの中で最多となっています(2018年10月現在)。国際協力活動を通じ太陽光発電に関する研究・開発と情報交換を行い、太陽光発電の様々なステークホルダーに向けた情報発信やレポート報告、ワークショップ開催などを実施しています。

2.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 新エネルギー部 担当:長谷川、石村 TEL:044-520-5277­

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp