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Press Release

AI技術の早期社会実装に向けた新たなプロジェクトを開始

―AI技術の導入期間の10分の1への短縮や適用領域拡大を目指す―
2018年6月14日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 石塚博昭

NEDOは、AI技術の早期社会実装に向けて新たな研究開発プロジェクトを開始し、6件の研究開発テーマを採択しました。「生産性」や「空間の移動」などの重点分野において、AI技術の導入期間を従来比10分の1へ短縮する研究開発・実証を行うとともに、AI技術適用領域の拡大や人間の発想などを支援する共通基盤技術の確立を目指します。これらをアジャイル型の開発手法で進め、AI技術の社会実装を加速し、グローバル市場の獲得につなげます。AI技術が導入され、生産性が向上することにより省エネルギー化とCO2排出削減につながることが期待されます。

  • 本プロジェクトの研究開発の概要を表した図 
    図1 本プロジェクトの研究開発の概要

1.概要

政府がとりまとめた「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」※1では、「生産性」や「空間の移動」などの重点分野におけるAI技術の社会実装が求められています。そこで、NEDOはこれらの実現に向けて、新たな研究開発プロジェクトを開始しました。具体的分野として「交通」「プラント」「発電」「土木」「流通」での新たな領域へのAI技術導入を加速する「アジャイル型」※2によるAI技術開発・実証と、それらAI技術をより広い分野・領域で短期間に導入・構築できるアノテーション※3自動化、最適ハイパーパラメータ※4探索高速化、施策の仮説立案を支援する経営支援システムなどの共通基盤技術の開発・実証をアジャイル型の開発手法で連携して進めるため、2つの研究開発項目を設定し、6件の研究開発テーマを採択しました。

研究開発を通じて、重点分野における次世代AI技術の導入期間を従来比10分の1に短縮することを実証するとともに、AI技術の適用領域の拡大、人間の発想や創造を支援する共通基盤技術の確立を目指します。これらをアジャイル型開発手法で進め、AI技術の社会実装を加速させることにより、グローバル市場の獲得につなげます。従来の人間による管理では達成できない一層の生産性向上と平準化による省エネルギー効果を得るなど、AI技術の導入による省エネルギー化とCO2排出削減につながることが期待されます。

2.研究開発プロジェクトの概要

事業名:
次世代人工知能・ロボットの中核となるインテグレート技術開発
実施期間:
2018年度~2022年度(予定)
予算:
25億円(2018年度~2022年度、予定)

研究開発項目1:人工知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証

従来の人間による管理では達成できない更なる省エネルギー効果等のエネルギー需給構造の高度な成果を得るため、「交通」「プラント」「発電」「土木」「流通」の分野における課題を題材として、アジャイル型の研究開発・実証に取り組みます。各分野において、AI技術の実導入現場での実証を完了し、省エネルギーなどエネルギー需給構造の高度化に資するAI技術の有効性を検証するほか、複数の応用分野でAI技術の導入期間を従来に比べ10分の1に短縮することを目指します。

研究開発項目2:人工知能技術の適用領域を広げる研究開発

  • AI技術の導入者が、業務の現状分析、計画検討からAIモジュールを現場に導入するまでの導入期間を従来比10分の1に短縮するAI技術の導入加速化技術の開発および実証を行います。
  • 省エネルギーなどエネルギー需給構造の高度化に資するAI技術の導入者を、より経営者に近い視座に導くことで新たな業務体系や新しい技術の導入を提案できるように支援するAI技術開発および実証を行います。

3.採択テーマおよび委託予定先一覧

<研究開発項目1:人工知能技術の社会実装に向けた研究開発・実証>

  • ■分野:生産性(プラント保全)
  • ■採択テーマ:AI活用によるプラント保全におけるガス漏洩の発見と特定の迅速化、並びに検出可能ガスの対象拡大
  • ■委託予定先:コニカミノルタ株式会社
    国立大学法人神戸大学
Demonstration sites
  • 図2 AI活用によるプラント保全におけるガス
    漏洩の発見と特定の迅速化、並びに検出可能ガスの対象拡大のイメージ
  • ■分野:生産性(サプライチェーン経営)
  • ■採択テーマ:サイバーフィジカルバリューチェーンの構築に関する研究開発
  • ■委託予定先:
    国立研究開発法人産業技術総合研究所
    株式会社ABEJA
Demonstration sites
  • 図3 サイバーフィジカルバリューチェーンの
    構築に関する研究開発のイメージ
  • ■分野:生産性(土木建築)
  • ■採択テーマ:ロボット技術と人工知能を活用した地方中小建設現場の土砂運搬の自動化に関する研究開発
  • ■委託予定先:国立大学法人東北大学
    株式会社佐藤工務店
    学校法人早稲田大学
Demonstration sites
  • 図4 ロボット技術と人工知能を活用した
    地方中小建設現場の土砂運搬の
    自動化に関する研究開発のイメージ
  • ■分野:生産性(風力発電)
  • ■採択テーマ:人工知能技術の風車への社会実装に関する研究開発
  • ■委託予定先:株式会社日立製作所
    国立大学法人東京大学
    国立研究開発法人産業技術総合研究所
Demonstration sites
  • 図5 人工知能技術の風車への社会実装に
    関する研究開発のイメージ
  • ■分野:空間の移動(乗合交通)
  • ■採択テーマ:人工知能技術を用いた便利・快適で効率的なオンデマンド乗合型交通の実現
  • ■委託予定先:株式会社未来シェア
    国立研究開発法人産業技術総合研究所
    株式会社NTTドコモ
Demonstration sites
  • 図6 人工知能技術を用いた便利・快適で
    効率的なオンデマンド乗合型交通の
    実現のイメージ

<研究開発項目2:人工知能技術の適用領域を広げる研究開発>

  • ■分野:導入加速・仮説検証支援
  • ■採択テーマ:AI技術導入の加速とスパイラルアップ技術に関する研究開発
  • ■委託予定先:国立研究開発法人産業技術総合研究所
    株式会社ABEJA

  • AI技術導入の加速とスパイラルアップ技術に関する研究開発を表したイメージ
    図7 AI技術導入の加速とスパイラルアップ技術に関する研究開発のイメージ

【注釈】

※1 人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ
第5回「未来投資に向けた官民対話」(2016年4月12日)における安倍総理の指示を受け、人工知能(AI)の研究開発・産業化の司令塔として「人工知能技術戦略会議」が政府に設置されました。同会議は、「人工知能の研究開発目標と産業化のロードマップ」とこれを実現するための「人工知能技術戦略」を策定しました(2017年3月31日)。
※2 アジャイル型
反復(イテレーション)と呼ばれる短い開発期間単位での開発を採用し、その開発期間単位を繰り返して、完成度を高めていく開発手法です。順次、機能確認しながら開発を進めることで、リスクを最小化しようとする開発手法の一つです。
※3 アノテーション
あるデータに対して関連する情報(メタデータ)を注釈として付与すること。AI技術では、ディープラーニングを活用するための運用工程の1つであり、取得した大量のデータを識別および分類し、教師データ(正解データ)を作成する機能です。
※4 ハイパーパラメータ
ディープラーニングにおいて、人間が最初に設定しなければならない重みの初期値や学習率といったパラメータで、現状は試行錯誤で決定しています。

4.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO ロボット・AI部 担当:中井、登、金山 TEL:044-520-5241

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp