国内初の沖合における洋上風力発電の挑戦―プロジェクト現場レポート―

福岡県北九州市沖 現場レポート

(2012年11月~2013年2月)

2013年2月21日
北九州市沖洋上風車お披露目(2)

北九州市沖洋上風車お披露・ナセル写真1枚目
北九州市沖洋上風車のナセル。

今回の現場レポートではナセルの紹介をします。

ギアレス式を採用した北九州市沖の風車は、ギア式の銚子沖の風車とナセル内部の構造が違うため、こちらの方が少しスリムな前後に長い形状となっています。

ナセルの前面にあるハブ(ブレードとナセルを結合する部分)も工場の中で装着し、ナセルごと洋上で設置工事を行います。

また、今回のナセルにも、洋上での運転をふまえて、塩分除去フィルターの設置をはじめさまざまな対策がされています。

2月末から設置工事を行うべく、現場では準備が進められています。

※ギアレス式 …… 発電機で増速機(=ギア)を使用していない方式。

参考
銚子沖現場レポート「洋上風車のお披露目(1)」(2012年8月2日)

北九州市沖洋上風車お披露・ナセル写真2枚目
ギアレス式の発電機部分(上部から撮影)。
北九州市沖洋上風車お披露・ナセル写真3枚目
前面から見たところ。

2013年2月19日
北九州市沖洋上風車お披露目(1)

北九州市沖洋上風車お披露目・ブレード写真1枚目
ブレードを付け根から見た写真。

今回はブレード(羽根)の紹介です。

今回設置するブレードは、長さ約40メートル、ブレードの幅は一番広い部分で3メートル以上あるとても巨大な構造物です。

主要材料にガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を採用、洋上の強い風にも耐えられる高強度・高接着力を確保しています。

また、今回製作したブレードには通常は2か所のみの受雷器を4か所に実装しており、日本海特有の冬季雷にも対応した仕様となっています。

次回はナセルの紹介です。

参考
風車の構造

銚子沖現場レポート「洋上風車のお披露目(2)」(2012年8月6日)

北九州市沖洋上風車お披露目・ブレード写真2枚目
人との大きさ比較。
北九州市沖洋上風車お披露目・ブレード写真3枚目
ブレードに実装された受雷器。

2013年2月14日
洋上風車パーツ室蘭出港!

洋上風車パーツ出港・写真2枚目
雪が降る中の積み出し作業の様子です。

北九州から遠く離れた北海道室蘭(日本製鋼所)で製作していた風車のナセルとブレード(羽根)が完成し、船への積み出し・出港が行われました。

銚子沖の積み出しは真夏の炎天下のもとで行われましたが、今回の積み出しはうってかわって真冬の雪の中での作業となりました。

パーツを積んだ貨物船は北九州市の港まで運搬し、そこでSEP船(船自己昇降式作業台船:Self Elevating Platformの略)に積み替えたのち、現場海域で設置作業を行います。

北九州市沖でも、いよいよ2月末頃から洋上風車の設置作業がはじまります。

次回からの2回の更新では今回設置するナセルとブレードの紹介をしていきます。

参考
銚子沖現場レポート「銚子沖に向けて風車を船積み」(2012年9月13日)

洋上風車パーツ出港・写真1枚目
貨物船に格納されるナセル。
洋上風車パーツ出港・写真3枚目
ブレードはトレーラーで積み出し場所まで運搬します。

2012年11月13日
北九州市沖でも洋上風車の設置作業が始まりました

10月中旬に設置が完了した銚子沖の洋上風車に続いて、北九州市沖でも洋上風車の設置作業が始まっています。

今回の実証研究で採用している着床式という方式では、まず、海底に基礎を設置してから上部のタワーや風車などの設置作業を進めていきます。

早朝から行われた基礎部分の設置作業は無事に終了し、北九州市沖も洋上風車の設置へ向けて一歩前進しました。

なお、今回の作業工程は、現在公開している建設工程CGムービー『―洋上風車の建設―』の0分50秒~1分40秒頃で紹介しています。 以下のリンクをクリックすると別ウィンドウで再生が始まりますのでぜひご覧ください。

洋上風力の建設工程CGムービー ―洋上風車の建設―(再生時間:3分10秒)

北九州市沖洋上風車設置作業開始・写真1枚目
早朝から作業開始です。
北九州市沖洋上風車設置作業開始・写真2枚目
今回も大活躍の起重機船。
北九州市沖洋上風車設置作業開始・写真3枚目
フローティングドックから基礎を移動し、
設置場所に降ろしていきます。
北九州市沖洋上風車設置作業開始・写真4枚目
設置が完了した風車基礎部分。

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