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多用途多端子直流送電システムの基盤技術開発

事業・プロジェクト概要

事業期間:2020年度~2025年度、予算額:27億円(2023年度)

風力発電の適地と大消費地の距離が離れている我が国では、送電容量に限界があることから、再生可能エネルギー(再エネ)導入が制限されています。風況が良く立地制約が比較的に少ない洋上や離島を活用した再エネを導入していくことは重要であり、多地点を結び、長距離で送電可能な直流送電システムは極めて有効です。

本事業では、風力発電等からの直流送電線を多端子化して適切に保護制御・潮流制御を行うことで、信頼性が高く効率的な送電を可能とする高電圧直流(HVDC)送電技術を開発します。また、これらの直流送電線を地域間への電力供給などの用途に利用できる制御技術を開発し、風力発電の導入普及のみならず、地域の需給バランス維持、再エネ抑制の回避、レジリエンスの強化などに貢献するための技術要件をまとめます。

研究開発内容

研究開発項目1:多用途多端子直流送電システムの開発

多端子化した直流線を用いて、風力を効果的に分配送電する潮流制御技術、ある交流系統から別の交流系統へ直流線を介して送電する潮流制御技術、一部の直流線に事故が生じた際に影響を最小限にするように適切な区間で電流遮断する保護制御技術を開発します。また、これらの制御を実現するための上位制御ユニットを開発します。なお、この開発では、シミュレーションに一部実機を用いることで、デジタルシミュレーションだけでは再現できない挙動なども検証します。

研究開発項目2:多端子直流送電用保護装置の開発

高速に遮断できる仕様をシミュレーションなどで整理した上で実機の開発を行います。

研究開発項目3:直流深海ケーブルの開発

水深が深い地域を安価で安全に敷設することが出来る深海ケーブル及びその敷設工法等を開発します。

研究開発項目4:ケーブル防護管取付等の工法開発及び新型ケーブル敷設船等の基盤技術開発

岩盤部で課題となっているケーブル防護について、より低コストを可能とする防護管取付等の工法を開発します。また、日本特有の海象・気象や必要となるケーブル敷設(防護、接続、敷設制御等)方法に対応し、複数社のケーブルを取り扱い可能な新型ケーブル敷設船等(艤装設備含む)について、基本的な設計を通じて取り込むべき技術を洗い出した上で、その仕様を確立します。

  • 多用途多端子直流送電システムのイメージ図
    多用途多端子直流送電システムのイメージ図

プロジェクトリーダー/サブプロジェクトリーダー

PL:中島達人(東京都市大学 教授)

SPL:曽我学(株式会社ニュージェック 電力部門 送配電グループ 統括)

基本情報

技術・事業分野 スマートコミュニティ
プロジェクトコード P20001
担当部署 スマートコミュニティ・エネルギーシステム部 (TEL:044-520-5261­)

詳細資料

最終更新日:2024年3月12日

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