本文へジャンプ

再生可能エネルギーの主力電源化に向けた次々世代電力ネットワーク安定化技術開発(STREAMプロジェクト)

事業・プロジェクト概要

事業期間:2022年度~2026年度、予算額:30億円(2023年度)

2020年10月の臨時国会において、2050年カーボンニュートラル実現を目指すことが宣言され、さらに2021年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」において、2030年再生可能エネルギー(再エネ)比率36~38%程度の実現が示される等、再エネ導入拡大の重要性は高まる一方です。再エネの導入拡大のために、「第6次エネルギー基本計画」では、「第5次エネルギー基本計画」に引き続き、「再生可能エネルギーの主力電源化」に向けた「系統制約の克服」が示されており、研究開発によって実現することに大きな期待が寄せられています。

本事業では、NEDO「再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代電力ネットワーク安定化技術開発」で得られた成果を踏まえ、最新の技術動向及び政策動向を把握し、将来の電力系統の技術的な課題及び制度的な課題までを見据えた上で、慣性力※1の低下及び新たな課題である短絡容量※2の低下に関する技術開発を行うとともに、開発成果が適切な効果を発揮することを小規模な系統において検証します。

STREAM:Future-generation power network Stabilization Technology development for utilization of Renewable Energy As the Major power sourceの略

研究開発内容

研究開発項目1:疑似慣性PCS※3の実用化開発

配電系統が主なターゲットとなる電流制御方式(GFL)および電圧制御方式(GFM)の疑似慣性PCSについて、慣性機能と単独運転検出機能が両立する機器を開発します。また、電力変換装置(PCS:パワーコンディショナー)から生じる事故電流は回転系発電機よりも小さく、事故を適切に検出できないおそれがあることから、事故電流の供給機能などの解決策について検討し、必要な機能を開発します。また、開発した疑似慣性PCSが複数台導入された際にも、安定的に動作することを小規模な系統において検証し、系統連系規程などへの反映に必要となるデータを取得します。

研究開発項目2:MーGセット※4の実用化開発

再エネおよび蓄電池を接続したM-Gセットを開発し、系統事故時などでも従来の回転系の発電機と同様な挙動を示し、電力系統の安定化に貢献することを検証します。具体的には、再エネの出力が急激に減少する場合や、蓄電池の充放電を高速に実施する場合、M-Gセットの電動機M側の系統における過電圧、過電流などにより再エネおよび蓄電池が運転停止しないことを検証します。さらに蓄電池などを有効活用することで、基幹系統での地絡事故発生時の蓄電池による電力を急減させる制御など、既存の同期発電機にはない系統安定化制御についても検証します。

  • 図1
    図1 慣性力低下の周波数変動に与える影響
    (イメージ)
  • 図2
    図2 機器導入イメージ
※1 慣性力
電気を発生させるために回転子を回転させて発電する火力発電機などの発電機(同期発電機)が持つ力で、自らの回転子を一定回転に維持しようとする力を「慣性力」と呼び、電気的な瞬時の変化に耐えることができます。一方、太陽光発電などインバーターを介して電力を供給する電源は、回転子が無く、慣性力を持ちません。そのため、再エネが増加し、相対的に火力発電機などの慣性力を持つ発電機が減少すると、これまで安定供給が維持できていた電力系統でも、系統事故のような瞬時の変化が発生した場合に広域的な停電に陥るリスクが高まります。
※2 短絡容量
電力系統で故障や事故などが発生した際に、電位差のある電源・電線から瞬時に流れ込む電流(短絡電流)の大きさの程度を示すものです。ここでは、当該地点の電圧維持能力を表す指標の意味で用いています。この大きさや分布は、系統構成や故障・事故の位置などによって複雑に変化します。
※3 疑似慣性PCS
同期発電機の挙動を模擬し、疑似的な慣性を提供する機能をもったPCSのことです。系統安定化機能として、慣性低下の緩和に寄与することが期待されています。
※4 M-Gセット
電動機(M:Motor)と発電機(G:Generator)を組み合わせ、再エネの活用とともに系統安定化に同期発電機の特性を活用することができる装置です。

プロジェクトリーダー/サブプロジェクトリーダー

PL:上村 敏(一般財団法人 電力中央研究所 グリッドイノベーション研究本部 研究統括室 配電分野統括 地域グリッド研究戦略担当(兼)ENIC研究部門 副研究参事)

SPL:馬場 旬平(国立大学法人東京大学大学院 新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 教授)

基本情報

技術・事業分野 スマートコミュニティ
プロジェクトコード P22003
担当部署 スマートコミュニティ・エネルギーシステム部 (TEL:044-520-5269)

詳細資料

最終更新日:2023年7月6日

関連ページ