本文へジャンプ

持続可能な航空燃料(SAF)等の安定的・効率的な生産技術開発事業

事業・プロジェクト概要

本事業ではGHG排出削減幅も意識しつつエネルギー製造・供給支援の観点から、商用化に至っていない多様なSAF生産技術、ならびに原料の開発に取り組み、ICAO CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)による航空脱炭素短中期目標(~2035年)以降の国際競争力のあるSAFの普及拡大に貢献することを目指す。具体的には、本事業では、以下の課題解決に取り組む。

  • ガス化・FT合成技術等のGHG排出削減に資する多様な原料を利用可能なSAF製造技術の改良・高度化、他技術との組み合わせによるコスト低減ならびにSAF供給量拡大
  • 革新的なSAF製造技術等の開発によるSAF供給量拡大
  • CORSIA認証やASTM適合を前提とした原料開発や前処理技術支援による原料調達量の拡大
  • SAF製造概要図

研究開発内容

研究開発項目〔1〕:多様な原料を利用可能なSAF製造技術の開発

  1. ガス化・FT合成、合成燃料などによるSAF製造技術については、中期的(2035年頃)な実用化を見据え、合成ガスの精製技術や効率的な触媒開発等の要素技術確立、高度化による製造コスト削減等に取り組むとともに、これらの実用化に資する技術実証を支援する。
  2. 空港近地の未利用バイオマス活用など、地産地消型を含むSAF製造サプライチェーンのFS調査を実施する。

研究開発項目〔2〕:革新的なSAF等製造技術の開発

  1. 既存製油所を拠点としたコプロセッシング(バイオ原油等と石油の混合精製)によるSAF製造プロセスの開発、並びに、現在基礎・応用研究段階であって、実用化には時間がかかるが将来的にSAFの安定的・効率的な供給に資することが期待される前処理技術や触媒の調査と開発を実施する。

研究開発項目〔3〕:SAF原料の多様化

  1. 油糧作物、回収難易度の高い廃棄物系油脂、セルロース系燃料作物等の生産、収集、運搬の低コスト化、効率的な前処理や原料加工の技術開発など、SAF等の持続可能な燃料需要に応える原料の多様化に資する研究開発を支援する。

プロジェクトマネージャー

矢野貴久 バイオマスユニット長

アウトプット目標

アウトプット目標(2029年度)

  • 多様な原料を利用可能なガス化・FT合成等のSAF製造技術の開発において、バイオマスガス化等の前処理とFT合成の組み合わせを最適化したパイロットプラント運転を通じてデータ収集・分析し、実用化に向けた対策を明確化するほか、原料安定調達手法の確立、中間品・併産品の利活用等を達成すること。
  • 革新的・効率的な前処理方法でバイオ原油を製造する技術を開発し、パイロットプラントの運転を通じてデータを収集・分析し、コプロセッシングをSAF製造に用いる上で必要な対策を明らかにできていること。
  • SAF原料の多様化の開発において、新規原料のSAF原料としての国際基準への適合性の証明に必要なデータが収集できていること。

アウトカム目標

アウトカム中間目標(2035年度)

  • 成果を活用したGHG削減効果や価格面で国際競争力あるSAF製造プラント数1件以上
  • 革新的製造技術の実証による技術確立
  • 価格競争力のある原料を年間数万トン規模で安定供給できる供給網を実現

アウトカム目標(2050年度)

  • 国際航空分野のカーボンニュートラル達成への貢献

プロジェクト線表

基本情報

事業期間・予算額 事業期間:2025年度~2029年度、2025年度予算:2.4億円
技術・事業分野 バイオマス燃料開発
プロジェクトコード P25012
担当部署 再生可能エネルギー部 (TEL:044-520-5270)

最終更新日:2025年12月5日

関連ページ