理事長挨拶
新エネルギー・産業技術総合開発機構
理事長 斎藤 保
NEDOは、1970年代に世界を襲った二度のオイルショックをきっかけに、新たなエネルギー開発の先導役として1980年に発足しました。以来、経済産業行政の一翼を担う日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、「エネルギー・地球環境問題の解決」と「産業技術力の強化」という二つのミッションを掲げ、企業、大学および公的研究機関の英知を結集して、研究開発・実証に取り組んでおります。
そして、2023年度にスタートした5年間の第5期中長期目標期間では、「研究開発マネジメントを通じたイノベーション創出」「研究開発型スタートアップの成長支援」「政策立案や研究開発マネジメントに貢献する技術インテリジェンスの強化・蓄積」の3つを柱として取り組んでいます。
具体的には、まず「研究開発マネジメントを通じたイノベーション創出」に向けて、プロジェクト・マネージャー制度によるマネジメント機能の高度化やさらなる研究開発マネジメントの機能強化を図っています。これらの取り組みを通じて、研究開発成果の最大化を図るとともに、世界のイノベーションによる状況変化に迅速に対応することで、企業等による社会実装を促進していきます。「研究開発型スタートアップの成長支援」では、イノベーションの新しい担い手であるスタートアップを発掘し、新規産業の創出につなげるため、シーズ段階から事業化まで一貫した支援体制を構築し、各種支援施策を実施しています。加えて、他の公的支援機関等との相互連携等を通じて、スタートアップ・エコシステムの構築に貢献します。そして、イノベーションの芽を見出し、社会に実装させるため「政策立案や研究開発マネジメントに貢献する技術インテリジェンスの強化・蓄積」に取り組んでいます。世界に先んじてイノベーションの予兆を掴み、日本の強み、優位性を生かした技術戦略の策定や政策エビデンスの提供等を通じて、産学官連携によるプロジェクトの実施につなげていきます。
また、産業技術・イノベーションの活性化やカーボンニュートラルの実現、経済安全保障の確保等の政策実現に向け、NEDOはグリーンイノベーション基金をはじめとする8つの基金事業を実施しています。このようにNEDOに対する期待と責任が一層高まる中、NEDOは持続可能な社会の実現に向けて、「日本のエネルギー・環境政策は、NEDOが支える。日本のイノベーション政策は、NEDOが牽引する」という気概を持って引き続き尽力していきます。
そして、成果の社会実装を促進する「イノベーション・アクセラレーター」としての役割を強化し、今後も社会課題の解決に一層貢献してまいります。
最終更新日:2024年4月11日