NEDO研究開発事業における技術流出防止策
2026年3月27日
技術流出の経路の多様化や手法の巧妙化が進む中、研究開発の入口から出口までの段階に応じた技術流出防止策の必要性が高まっています。
そこでNEDOは、経済安全保障上、重要であると指定を受けた研究開発事業を行うに当たっては、技術流出防止策に関する各種取組の実施を求めています。
1.NEDO研究開発事業における技術流出防止策に係る基本方針
NEDOは、重要技術の研究開発成果の社会実装も見据えた着実な技術流出防止策を講じるべく、「NEDO研究開発事業における技術流出防止策に係る基本方針」(以下「基本方針」という。)を策定し、以下のとおり公表しています。基本方針では、技術流出防止策として以下の2.から4.に掲げる取組の遵守を求めています。
経済産業省をはじめとする担当府省庁の指定を受けた研究開発事業は、基本方針に掲げる事項を遵守いただく必要があります。なお、当該指定は技術流出防止策ごとに行われるものであり、全ての取組を一律に指定されるものではありません。
指定の有無等の詳細は、それぞれの研究開発事業の公募時等に提示される内容をご確認ください。
- 〇適用時期と基本方針の関係
| 適用時期 | 基本方針の版 |
|---|---|
| 2026年4月1日以降に公募を開始し、契約・交付決定を行うもの | NEDO研究開発事業における技術流出防止策に係る基本方針(2026年4月1日策定)(182KB) |
2.技術流出防止措置の取組
(1)コア重要技術等のアクセス管理
指定を受けた事業は、事業の実施に当たり、事業者に対して、技術流出防止措置の一環としてコア重要技術等(※)に関するアクセス管理の取組を求めます。具体的には、コア重要技術等を特定いただくとともに、その流出を防止するために以下の措置を求めます。
(ア)コア重要技術等へのアクセス管理
コア重要技術等にアクセス可能な従業員を必要最小限の範囲に制限し、適切な管理を行うために必要な体制や規程(社内ガイドライン等含む。)を整備すること。
(イ)コア重要技術等にアクセス可能な従業員の管理
(ア)に規定する従業員に対し相応の待遇(賃金、役職等の向上)を確保する等の手段により、当該従業員の退職等を通じたコア重要技術等の流出を防止する措置を講じるとともに、当該従業員が退職する際にはコア重要技術等に関する守秘義務の誓約を得ること。また、労働基準法(昭和22年法律第49号)、労働契約法(平成19年法律第128号)その他関係する法律の諸規定に十分配慮しつつ、退職後の競業避止義務の誓約についても当該従業員の同意を得るための取組を行うこと。
(ウ)取引先(共同研究パートナー等のサードパーティを含む。以下同じ。)における管理
NEDOの支援を受けて研究開発を実施する者ではなく、取引先がコア重要技術等の全部又は一部を有する場合、当該コア重要技術等の全部又は一部を当該取引先が有すること及びその詳細に関して、当該取引先と秘密保持契約を締結すること。また、当該取引先に対しても、(ア)及び(イ)に相当する内容の措置を講じることを求め、その履行状況を定期的にレビューする等、取引先からのコア重要技術等の流出を防止するために必要な措置を講じること。なお、その際には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)、下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)及び下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号)の諸規定に十分配慮すること。
【具体的運用】
NEDOは、公募時等に公募要領中でコア重要技術等のアクセス管理の対応を求める旨を明示し、提出書類の一部として、確認票の提出を求めます。
事業者は、確認票を用いて応募時点の取組状況をNEDOへ提出するとともに、事業の実施に当たり、コア重要技術等の流出防止に努めていただきます。また、事業の実施期間中も取組状況について確認し、取組の履行状況が不十分な場合は、是正依頼を行う場合があります。なお本取組は、一律にすべての対応を必須で求めるものではなく、事業者の事業内容、体制、想定されるリスクの程度等を踏まえた上で合理的な対処を検討し、コア重要技術等の流出防止に繋げていただくことを目的としています。
確認票の一般的な様式は以下のとおりですが、具体的な提出方法や様式については、各公募の指示に従ってください。
本対応の終期は、事業終了時までとなります。
- 様式(委託版):NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票(337KB)
- ※委託事業の場合は、一般的な情報管理体制も含めた確認も併せて行っています。
- 様式(補助版):NEDO事業遂行上に係る情報管理体制の確認票(307KB)
【注釈】
- ※コア重要技術等とは、「コア重要技術」及び「コア重要技術の実現に直接寄与する技術のうち非公知のもの」を指します。ここでいう「コア重要技術」は、当該研究開発の成果及びその活用の際に必要となる技術の設計・生産・利用の各段階において有用かつ中核的な技術(ソフトウェアを含む。)を指し、いずれも公然と知られていないもの(特許出願の公開、論文発表などの方法によって公の場に発表されておらず、かつ事業者を含む限られた関係者しか知らないもの)に限ります。以下のイメージ図もあわせて参考にしてください。
|
|||
|
3.研究セキュリティ確保に関する取組
国際的に開かれたオープンで自由な研究環境を維持しつつ、悪意のある組織や行為者から重要技術を保護し、健全な研究コミュニティの活動を行っていくための研究セキュリティ確保の取組として、内閣府において「研究セキュリティ確保に関する取組のための手順書」(以下「手順書」という。)がとりまとめられています。
経済安全保障の観点から特に技術流出の防止の必要があるものとして、指定を受けた事業(通常、「特定研究開発プログラム」と称される。)は、事業の実施に当たり、事業者に対して、研究セキュリティ確保のために、手順書に沿ったデュー・ディリジェンスはじめとするリスクマネジメントの実施を求めます。
【具体的運用】
NEDOは、公募時等に公募要領中で研究セキュリティ確保に関する取組の対応を求める旨を明示します。
事業者は、以下のページに記載された取組手順に沿って、公募時等から事業終了時まで必要なリスクマネジメントを実施いただきます。
本対応の終期は、事業終了時までとなります。
4.その他法令遵守のための取組
(1)安全保障貿易管理
日本国の製品や技術が海外で武器に転用されぬよう、外国為替及び外国貿易法(以下「外為法」という。)に基づく厳格な輸出管理が求められており、NEDOの研究開発を行う全ての事業において、全ての事業者に対して外為法の遵守を求めており、その旨を公募時の公募要領中で提示しています。
その上で、外為法のリスト規制対象となる貨物及び技術の開発や製造、使用等を伴う可能性があるものとして指定を受けた事業については、追加的に事業者に対して安全保障貿易管理体制の整備を求めています。
【具体的運用】
NEDOは、採択決定後、事業者に対して事業開始時までに実施計画書の作成とあわせて、外為法の輸出規制に当たる貨物・技術の輸出が予定されているか否かの確認及び管理体制(※)の有無について確認を行います。
事業者は、外為法の輸出規制に当たる貨物・技術の輸出が予定されているか否かの確認及び管理体制の有無について、以下の「様式1:安全保障貿易管理への対応について」を作成し、NEDOに提出いただきます。なお、様式1で「整備中」と回答した事業者は、「様式2:安全保障貿易管理の体制を整備することの誓約書」に安全保障貿易管理体制を構築する旨の誓約書を作成し提出するとともに、対応完了時に様式1の再提出いただきます。なお、これら様式はプロジェクトマネジメントシステム(PMS)からダウンロード可能なため、具体的な提出方法等はNEDO担当部の指示に従ってください。
本対応の終期は、事業終了時までとなります。
【注釈】
- ※業として輸出・技術提供を行う者(輸出者等)は外為法第55条の10第1項に規定する「輸出者等遵守基準」を遵守する義務があり、ここでいう管理体制とは「輸出者等遵守基準」にある管理体制を基本とし、リスト規制貨物の輸出又はリスト規制技術の外国への提供を適切に行うことで未然に不正輸出等を防ぐための、組織の内部管理体制をいいます。