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インクジェット印刷と銅めっきを用いて製造された片面FPC P-Flex™を製造、販売/エレファンテック株式会社

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J-Startup
  • 代表取締役社長 清水 信哉 さん
2014年 前身のAgIC株式会社を設立。「Microsoft Innovation Award 2014」で最優秀賞を獲得。
2016年 NEDO「シード期の研究開発型ベンチャー(STS)への事業化支援」に採択。
2017年 現在の社名に変更。約5億円の資金調達を実施。
  1. Q1. NEDO支援事業をどのように活用?
  2. Q2. エレファンテックの“その先”とは?

Q1. NEDO支援事業をどのように活用?

当社は、インクジェット印刷によって電子回路を作るという新しい製法の実用化のため、NEDO STS事業に応募しました。この製法は、電子回路製造に必要な水やエネルギーの量が10分の1になりコストも劇的に下がる技術で、当初から、実用化できれば非常に大きなインパクトがあると思っていました。
一方で、いくら大きな可能性があっても、一般的にこのような基礎技術の開発には時間とお金がかかります。投資を募るだけだと、開発のマイルストーン達成の前に資金が尽きてしまい、次回の資金調達に進めないという問題がありました。そんな中で、ベンチャーキャピタル様からの投資とセットで助成金をつけていただくNEDO STS事業で、顧客の獲得と、サンプル生産が可能なステージまで技術開発を進めることができ、それによって5億円超の資金調達ができました。
世の中をひっくり返すような基礎技術の開発には時間がかかりますし、さらにそれが顧客に受け入れられるのかどうかもなかなか分かりません。だからこそ、顧客獲得と研究開発を並行して進め、技術・市場両面で事業ステージを進めていくことが大事だと思っています。

Q2. エレファンテックの“その先”とは?

開発・顧客開拓が進み、量産採用の実例ができたことに加え、大量生産ラインを希望する顧客を複数獲得することができました。それにより、さらに10億円以上の資金調達および大量生産ライン構築を現在進めています。また、現在の製造技術をコアに、三次元樹脂への印刷や、バイオ材料の印刷等を進めることで、あらゆる領域を環境に優しい印刷製法で置き換えていくことを目標としています。
こういった省資源・省エネルギー等の社会的インパクトも大きい事業は、ファンドから資金を集めるだけでなく、NEDOのような公的機関の支援を活用することで、短期的な収益だけでなく、長期的な国としての技術的競争力につながるような事業が多く生まれていけばと思っています。

  • 社員による装置のメンテナンスの様子。

NEDO担当者からのコメント

桁違いのコストダウンを実現できるコア技術を武器に、既存市場に参入。自社技術のメリットを生かした少量多品種市場で、着実に成長を続ける姿は、日本のモノづくりのあるべき方向感を示したロールモデルだと思います。

本記事は、2019年5月発行の広報誌Focus NEDO No.73に掲載された内容となります。

最終更新日:2021年10月1日