スマートアパレル「e-skin」の開発・製造・販売/株式会社Xenoma

Co-Founder & 代表取締役CEO 網盛 一郎 さん
2015年 | 株式会社Xenomaを創業。 |
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2016年 | NEDO「シード期の研究開発型ベンチャー(STS)への事業化支援」に採択。 |
2017年 | STSの成果として「e-skin DK」を上市。 |
2018年 | NEDO「企業間連携スタートアップ(SCA)に対する事業化支援」に採択、開発中。 |
Q1. NEDO支援事業をどのように活用?
当社は軽くて自然な着心地で、洗濯も可能な普通の「服」でありながら、多種・多点のセンサを搭載した次世代スマートアパレル「e-skin」を展開しています。
創業直後に参加した「CES2016」で 、4つの歪センサを有し右半身の腕の動きを計測でき る「e-skinシャツ」のプロトタイプを展示しました。市場の反応は良好でコンセプトが受け入れられた感触があった一方、商品として右半身の腕の動きしか計測できないプロトタイプでは不十分であり、さらに、事業化の実現には技術やコンセプトだけではなく、サービスを具体的に提示する必要がありました。
そこで、NEDOのSTSによる支援を受け、上半身全体の動きを捉えることができる新しい「e-skin」の開発、およびアプリケーションソフトウエアそして生産技術の確立に取り組みました。
これによって生まれたのが「e-skin DK」という商品です。これは14の歪センサで上半身の動きを汎用的に捉えることができ、さらに開発者向けのSDK(ソフトウエア開発キット)を提供することができました。創業からわずか1年3カ月で上市を実現できたのは本助成事業のおかげであると考えています。
- e-skin DK
- 次世代モーションキャプチャーシステム e-skin MEVA
Q2. Xenomaの“その先”とは?
「e-skin DK」の販売を開始したことにより、多くの企業や研究機関の皆さまから、さまざまな用途に応じたスマートアパレルの開発依頼をいただくようになりました。スポーツや労働者管理、介護、赤ちゃんの見守り等の分野で取り組みを行い、最近では日立製作所と協働した作業者の状態を認知するシステムや、アシックスとの着るだけで野球の投球フォームを評価する「投球動作解析e-skinシャツ」等があります。その中から、収益化が見込まれる事業として、2019年10月から保育園での午睡チェックサポートサービスを開始、2020年にフィットネスと睡眠分野でサービスリリースを予定しています。
今後もスマートアパレル「e-skin」を通して、日常生活における楽しみや利便性を向上し、さらに安心安全な社会の実現に貢献するための「予防医療」につながる製品やサービスを開発、提供していきたいと考えています。
- 2019年10月に開催されたAISA Hardware Battle 2019
NEDO担当者からのコメント
伸縮性エレクトロニクス技術を生かしたスマートアパレルは、人に優しく、マシンとインターフェースできる点で、スポーツや介護等へ展開を実現。今後、さらに適用領域を拡大し、大きく事業展開することが期待されています。
本記事は、2019年12月発行の広報誌Focus NEDO No.75に掲載された内容となります。
最終更新日:2021年12月9日