高砂香料工業とRITEとGEIが未利用木質バイオマスを用いたローズ香料の発酵生産に成功しました
2025年11月28日
NEDOでは、「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」事業において、植物や微生物などの生物を用いて有用物質を生産する、バイオものづくりの技術開発に取り組んでいます。本事業において、高砂香料工業株式会社と公益財団法人地球環境産業技術研究所（以下「RITE」という）とGreen Earth Institute株式会社（以下「GEI」という）は、未利用木質バイオマスを用いたローズ香料の発酵生産に成功しました。
これまで、ほとんどのローズ香料は化石原料から化学合成されていました。「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品⽣産技術の開発／産業⽤物質⽣産システム実証」における「フロー連続単離法と増殖非依存型バイオプロセスによるローズ香料の生産システム実証」事業において高砂香料工業とRITEは、ローズ香料を高効率で発酵生産するコリネ型細菌のスマートセル（生物細胞の物質生産能力を最適化・最大化した細胞）を創出し、培養プロセスの中でローズ香料を連続的に系外へ排出する生物工学的なフロー連続単離技術を開発しました。これにより化石原料を用いない、世界一の効率を誇る発酵生産によるローズ香料生産システム構築に成功しました。
また、現在、「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発／生産プロセスのバイオファウンドリ基盤技術開」において、高砂香料工業とRITEとGEIが協力し、ローズ香料発酵生産のスケールアップ検討に取り組んでいます。
今回、高砂香料、RITEおよびGEIは、非可食原料である未利用木質バイオマス原料からでもローズ香料の発酵生産が可能なことを確認しました。今後、3者は連携して、生産性の向上や精製方法の研究を進め、商用生産を目指します。
この研究成果は、2025年11月26日（水）に高砂香料工業、RITE、GEIのそれぞれのWEBサイトにて公開されていますので、ぜひご覧ください。