株式会社PEZY Computingによる助成金の不正受給に対する措置について
2019年12月20日
当機構は、平成29年12月26日に公表した株式会社PEZY Computing(以下PEZY社という)による助成金等の不正受給について、実態把握を進め、今般、調査が終了したため、本日12月20日付で、PEZY社に対し追加的に交付決定の一部を取り消し、返還請求を行うとともに、平成29年12月25日付で措置していた補助金交付等の停止期間を確定しました。
1. 対象事業者
株式会社PEZY Computing (法人番号 8010001197991)
2. 経緯
当機構は、PEZY社による助成金等の不正受給の発覚を受け、平成29年12月25日に同社に対し補助金交付等停止措置を講じ、また、平成30年2月20日には、下記事業(1)(2)の交付決定の一部を取り消し、詐取されたとされる助成金全額の返還を受けました(以下4.の表を参照)。
当機構は、その後も、当該2事業を含めてPEZY社が参画した過去の助成事業の調査・確認を進めてきましたが、今般、関連する裁判が進捗するとともに、当局からPEZY社に対し、押収された資料の返却があり、NEDO事業に係るすべての証憑書類の確認等が完了したことから、全体の調査を終了いたしました。
3. 調査結果
調査の結果、下記事業(1)(2)について、これまでの裁判で判明している不正受給に加え、預け金や助成期間外の費用を期間内のものとして計上する等の補助金交付規程違反(21,154千円)を確認しました。
また、併せてPEZY 社へ過去に助成した他の事業(下記事業(3)~(5))についても調査を行いましたが、これらの事業では不正受給は確認されませんでした。
なお、下記事業(4)(5)については、平成29年12月25日の補助金交付等停止措置に伴い事業の執行を停止したことに伴い、その時点で交付していた概算払額のうち240,518千円については補助対象外であることが確認できましたので、当該分も返還を請求しています。
<対象事業名>
(a)不正受給が確認された事業
(1)戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発
/バンプレス3次元積層技術を用いた省電力メニーコアプロセッサの開発
助成期間:平成24年度~平成25年度
(2)ベンチャー企業への実用化助成事業
/超広帯域Ultra WIDE-IO3次元積層メモリデバイスの実用化開発
助成期間:平成25年度
(b)その他の事業
(3)イノベーション推進事業
/平成22年度第1回 産業技術実用化開発費補助事業
/3次元積層TSVメモリ技術を活用したメニーコアプロセッサの開発
助成期間:平成22年度~平成23年度
(4)戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実証開発
/非接触型磁界結合通信を用いた高密度実装プロセッサデバイスの開発
助成期間:平成27年度~平成29年度
(5)IoT技術開発加速のためのオープンイノベーション推進事業
/IoT技術開発加速のための実用化研究開発
/ビッグデータ解析のための低消費電力演算チップの開発
助成期間:平成28年度~平成29年度
4. 不正受給額
(単位:千円)
事業 | 交付決定額 | 不正受給額(合計) | |
内今回取消分 | |||
(1)バンプレス3次元積層技術を用いた省電力メニー コアプロセッサの開発 |
633,331 | 243,334(※1) | 21,154 |
(2)超広帯域Ultra WIDE-IO3次元積層メモリデバイスの 実用化開発 |
499,559 |
415,734(※2) | 0(※3) |
(※1) NEDOは、事業(1)の不正受給額(合計)のうち計222,180(千円)について平成30年2月20日に交付決定の一部取消を行っており、PEZY社はこれに加算金を加えた324,809(千円)を既に返還済み。
(※2)(※3) NEDOは、事業(2)の不正受給額(合計)について平成30年2月20日に交付決定の一部取消しを行っており、加算金を加えた615,802(千円)を既に返還済み。今回追加的に取り消しを行う部分は無い。
5. 措置内容
本日12月20日付で、PEZY社に対し追加的に交付決定の一部を取り消し、今回取消分の助成金の返還を命じるとともに、平成29年12月25日から6年間※、PEZY社への新たな委託契約の締結及び補助金の交付を行わないこととしました。
※ 既に平成29年12月25 日に期間の定めのない当面の措置を講じており、今般、停止期間を確定したもの。
6. 問い合わせ先
NEDO 広報部 044-520-5151