本文へジャンプ

北川進博士のノーベル化学賞受賞のお祝い

2025年10月10日

京都大学 理事・副学長、同大学高等研究院 特別教授 北川進博士のノーベル化学賞受賞に際し、心からお祝いを申し上げます。

北川博士は、「金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks、MOF)」を開発し、材料科学に新たな分野を確立したことが評価され、今回の受賞となりました。

NEDOは、2009年度から2013年度にかけて実施した「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発/副生ガス高効率分離・精製プロセス基盤技術開発」の一部で、北川博士の研究を支援しました。本プロジェクトの中で、北川博士にはサブプロジェクトリーダーを務めていただきました。本技術開発は、化学工場から排出される低濃度・低温・低圧の副生ガスについて、効率よく吸着・脱離する多孔性材料の実現を目指しました。また、2022年度から2024年度にかけては、「ムーンショット型研究開発事業」の一部において、多孔性材料を活用した自然プロセスの加速によるCO2回収・資源転換技術の開発を支援しました。

2017年度および2022年度には、北川博士が開発された「多孔性配位高分子PCP/MOF」を基盤技術として活用し、北川博士が科学顧問として参画されている株式会社Atomisの事業「次世代高圧ガスボンベの開発」、「次世代高圧ガス容器γ版の開発」を支援しました。

加えて現在は、2022年度から実施している「グリーンイノベーション基金事業/CO2の分離回収等技術開発」の一部で、北川博士の研究を支援しています。本技術開発は、化石燃料を燃やした後の低濃度CO2排ガスから、CO2を分離回収するコストの低減を図るため、構造柔軟型PCPを用いた物理吸着法によるCO2分離回収システムの技術開発および検証を進めています。また、CO2分離・回収エネルギーの大幅な低減を目指して株式会社Atomisが取り組む「革新的MOF吸着剤を用いた、製造プロセスからのCO2分離・回収システム」の研究開発も支援しています。

改めて、北川博士の受賞を心からお祝い申し上げるとともに、NEDOは、今後も我が国の「エネルギー・地球環境問題の解決」と「産業技術力の強化」を目指し、より一層の努力を続けて参ります。