スマートセル関連技術の社会実装推進に向けた先導研究8テーマを採択
―今後解決すべき検討課題を明らかにする―
2018年7月31日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
理事長 石塚博昭
NEDOは、植物や微生物の細胞から工業材料を生産する「スマートセルインダストリー」の実現を目指すプロジェクトにおいて、スマートセル技術の社会実装推進に向けて今後解決すべき検討課題を明らかにするために、先導研究8テーマを採択しました。
本先導研究では、生物機能を活用した物質生産やバイオ由来の素材開発について、原料および用途の多様化と生産プロセスに関わる課題の抽出や、革新的技術の実現可能性の検証などに取り組みます。
1.概要
植物や微生物の細胞が持つ物質生産能力を人工的に最大限引き出した「スマートセル」を構築することで、化学合成では生産が難しい有用物質の創製、または従来法の生産性を凌駕する技術の実現が期待されています。そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、スマートセルによるものづくり「スマートセルインダストリー」の実現を目指して、スマートセルの基盤技術および特定の生産物質における実用化技術の研究開発プロジェクト※を推進しています。
今般、スマートセル技術の社会実装推進に向けて、今後解決が必要となる周辺技術やスマートセル技術の実用化・事業化における検討課題を明らかにすることを目的に、新たに採択した8テーマの先導研究を開始します。本先導研究では、生物機能を活用した物質生産やバイオ由来の素材開発について、原料および用途の多様化と生産プロセスに関わる課題の抽出や、革新的技術の実現可能性の検証などに取り組みます。
これにより、次世代のモノづくり産業となるスマートセルインダストリーの創出に向けて、課題解決のために必要となる技術や求められる機能・システムなどを明らかにし、将来的に国としての取り組みが必要になる領域・技術の抽出を進めます。
2.先導研究の採択テーマと委託予定先
事業期間:2018年度から2019年度までの最長2年間
テーマ名 | 委託予定先 |
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ロバスト性微生物およびシンプル生産プロセスの開発 |
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C4化成品の原料転換と出口の多様化に関する調査研究 |
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新規植物遺伝資源の創出と高度利用化を加速化する植物ゲノム技術基盤開発 |
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高性能ラマン・フローサイトメトリーを用いた無標識代謝解析によるスマートセル選抜技術の研究開発 |
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植物原料由来イソプレン及び高機能イソプレン誘導体製造技術の社会実装に向けた課題抽出 |
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バイオ合成可能な有用モノマー化合物の探索技術の開発 |
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植物のゲノム編集のための卓越的分子導入法の研究開発 |
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嫌気性微生物群の遺伝子発現深層学習解析と発生臭気のリアルタイム解析によるメタン生成の高効率化の調査研究 |
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【注釈】
- ※ 研究開発プロジェクト
- 事業名:植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発(2016年度~2020年度)
3.問い合わせ先
(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)
NEDO 材料・ナノテクノロジー部 担当:林、大竹、齋藤(貴) TEL:044-520-5220
(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)
NEDO 広報部 担当:藤本、髙津佐、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp