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小売店の防犯カメラ映像から来店客の行動や商品を検索・分析するサービスを開発
―店舗運営の効率化支援により、実店舗の次世代化を後押し―

2019年10月17日
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
アースアイズ株式会社

NEDOの「五感AIカメラの開発」プロジェクトの成果を活用し、アースアイズ(株)は、小売店舗の防犯カメラ録画映像から来店客や店員の行動、属性、商品などを人工知能(AI)技術で高速に検索・分析するサービスを開発しました。

現在、実店舗の状態分析は、運営管理者が録画映像を早送りしながら目視で行っています。しかし目視による分析では多大な時間を要するほか、来店客数や、来店客数に占める特定売り場への立ち寄り人数(立ち寄り率)・立ち寄り時間といった、実店舗運営指標を定量的に把握することも困難でした。

本サービスを活用することにより、実店舗の運営管理者は、例えば特定商品が置いてある棚の前で、実際に商品棚を一定時間見た来店客の数や属性、滞在時間を、センサーなどを新たに設置することなく、既設の防犯カメラの録画映像から簡単に把握できます。オンライン店舗では既に広く行われている顧客・購入履歴などの情報分析を実店舗でも実現することで、店舗運営をオンライン店舗並みに効率化する「実店舗の次世代化」への貢献が期待されます。

また、アースアイズ(株)は、本サービスを「AI Search(AIサーチ)」の名称で2019年11月より提供開始する予定です。

「AI Search」による検索結果イメージ(左:ヒートマップ例、右:来店客の属性分析結果例)
図1 「AI Search」による検索結果イメージ
(左:ヒートマップ例、右:来店客の属性分析結果例)

1.概要

小売業界においては、オムニチャネル※1の進展により、オンライン販売と実店舗販売の融合が進んでいます。一方、少子高齢化により、小売業の市場規模が伸びない※2中で人手不足※3は深刻化しており、効率的な店舗運営が求められています。しかし実店舗においては、分析業務を自動化する技術がなく、目視による分析で膨大な人手を要するため、オンライン店舗のような来店客行動や商品の検索・分析が進んでいないことが課題となっていました。

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とアースアイズ株式会社は、NEDOの「五感AIカメラの開発」プロジェクト※4で、人工知能(AI)技術を使って、防犯カメラ画像から、店内の人の移動と視線を把握する技術(図2)を開発し、アースアイズ(株)が同技術を活用した万引き対策システムとして、これまでに小売店向けに展開してきました。

  • 人の移動と視線検知技術の使用例
    図2 人の移動と視線検知技術

そしてこのたび、アースアイズ(株)は、このNEDOプロジェクト成果の活用範囲を広げ、小売店舗の防犯カメラ録画映像から来店客や店員の行動、属性、商品などをAI技術で高速に検索・分析するサービスを開発しました。

本サービスを活用することにより、実店舗の運営管理者は、例えば特定商品が置いてある棚の前で、実際に商品を一定時間見た来店客の数や属性、滞在時間を、センサーなどを新たに設置することなく、既設の防犯カメラの録画映像から簡単に把握できます。オンライン店舗では既に広く行われている顧客・購入履歴などの情報分析を、実店舗でも実現することで、店舗運営をオンライン店舗並みに効率化する「実店舗の次世代化」への貢献が期待されます。

また、アースアイズ(株)は、本サービスを「AI Search(AIサーチ)」の名称で2019年11月より提供開始する予定です。

将来は、小売り店舗のみならず、介護施設や工事現場、工場における業務改善や安全対策など、さまざまな用途への展開を見込んでいます。

2.本サービスの概要

これまで、実店舗の運営状態を分析するには、管理者が録画映像を早送りで目視する必要がありました。しかし目視による分析では多大な時間を要するほか、来店客数や売り場ごとの立ち寄り人数(立ち寄り率)・立ち寄り時間といった実店舗運営指標を定量的に把握することも困難でした。

今回開発したサービスは、録画データをサーバに送り、サーバ上でAIが検索・分析する仕組みです。店舗管理者は、サービス画面上で、特定商品の前といったエリアを指定し、商品棚を一定時間見た来店客の属性・人数・滞在時間といった項目を選ぶだけで、それらが数値化されたデータやヒートマップとして表示されます。また、録画映像のうち分析対象が写っていない時間帯だけを自動的に早送りして見ることもできます。また、既設の防犯カメラ映像を使えるため、センサーなど特別な機器の設置は不要です。

なお、サービスの詳細につきましてはアースアイズ(株)の 公式ウェブサイトをご参照ください。

【注釈】

※1 オムニチャネル
小売業において、オンライン販売と実店舗販売を融合することにより、ひとつに統合された顧客体験を提供することです。
※2 小売業の市場規模が伸びない
※3 人手不足
※4 「五感AIカメラの開発」プロジェクト
事業名:次世代人工知能・ロボット中核技術開発/次世代人工知能技術分野/五感AIカメラの開発
事業期間:2017年度~2018年度
予算:1200万円

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:佐藤、坂本、中里 TEL:044-520-5151­ E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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