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ロシア14都市でスマート信号システムの導入効果を調査
―最大66%の渋滞緩和効果を確認、8都市が導入に高い関心―

2021年3月31日
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
株式会社京三製作所
株式会社野村総合研究所

NEDO、(株)京三製作所、(株)野村総合研究所は、ロシアの14都市の交差点で、「スマート信号システム」の導入効果調査を行い、最大66%の渋滞緩和効果が見込めることを確認しました。この結果を踏まえ、このうちの8都市が同信号システムの導入に高い関心を示しています。今後、(株)京三製作所と(株)野村総合研究所は、それら8都市をはじめとするロシア国内へのスマート信号システムのさらなる普及を進めるとともに、旧ソ連および独立国家共同体(CIS諸国)への展開を目指します。

1.概要

ロシアはスマートシティ化を目指し、大都市を中心にインフラへのさまざまな投資計画を打ち出しています。中でも重要な政策課題の一つが、交通渋滞の改善です。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と株式会社京三製作所、株式会社野村総合研究所はまず、2015年度から2017年度まで慢性的な交通渋滞が深刻な課題であるモスクワ市においてスマート信号システム※1の実証事業を実施し、最大40%の渋滞緩和効果※2があることを確認しました。ただ、このシステムを同じく渋滞緩和のニーズがあるモスクワ市以外の各都市にも普及させるには、各都市の財源不足に加え、外国企業単独での公共調達分野への参入が厳しく規制されているというハードルがありました。このような背景の下、NEDOと(株)京三製作所、(株)野村総合研究所は、ロシアでのスマート信号システムのさらなる普及を目指し、2018年度から2019年度までロシアの14都市※3で同システムの導入効果調査を実施しました。

具体的にはスマート信号システムを導入した場合の渋滞緩和効果などに関するシミュレーション調査を実施し、同信号システムの導入によりすべての都市で12~66%(平均33%)の渋滞緩和効果、またそれに伴う環境改善効果、経済効果が見込めることを確認しました。この調査結果を踏まえ、NEDOなど3者は報告書をまとめ、ロシアの関係省庁(外務省、経済発展省、建設・住宅公営事業省、運輸省、産業商務省)へ提出するとともに、日本の経済産業省や国土交通省とも協力して日露政府間対話の場も活用し、ロシアの地方都市がスマート信号システムを導入するための支援策について働き掛けてきました。

その結果、2021年2月にロシア連邦建設・住宅公営事業省を通じて、導入効果調査を実施した14都市のうち8都市※4からスマート信号システムの導入に関心があるとの表明がなされました。

これらの実証事業および導入効果調査事業により、スマート信号システムはロシアでの導入につながりつつあります。国土交通省と建設・住宅公営事業省が実施している日露都市環境問題作業部会でも、日露「8項目の『協力プラン』」※5に基づく日露協力事業の具体的な成果事例の一つとして紹介されました。

2.今後の予定

今後はNEDOの実証事業と導入効果調査事業の結果を受けて、(株)京三製作所と(株)野村総合研究所が、8都市をはじめとするロシア国内においてスマート信号システムの普及を進めるとともに、旧ソ連およびCIS諸国への展開も目指していきます。また(株)京三製作所は、導入効果調査を行った14都市の一つで日露都市開発のモデル都市※6でもあるサンクトペテルブルク市において、2023年にパイロットプロジェクトを実施する予定です。

【注釈】

※1 スマート信号システム (システム名称 ARTEMIS:Autonomous and Real‐Time signal control based on Estimation traffic demand for Minimization of Signal waiting time)
複数の信号機間での車両通行情報の交換、および車両検知器から得られた車両通過情報の収集により、交差点に流入する交通流を予測し、信号待ち時間が最小になるよう信号サイクルを自律的に調整することで、車両の流れを円滑化し、渋滞の発生を抑制する高度交通信号システム。
参考:サイト内リンク NEDOニュースリリース 2017年11月1日
※2 渋滞緩和効果
スマート信号システム導入前後における、朝・夕ピーク時の対象区間の移動に要する時間の削減効果。
※3 ロシアの14都市
モスクワ、サンクトペテルブルク、エカテリンブルク、ペルミ、ボロネジ、サラトフ、チュメニ、イジェフスク、リャザン、リペツク、カリーニングラード、ムルマンスク、ユジノサハリンスク、ガッチナ。
※4 8都市
モスクワ、サンクトペテルブルク、ペルミ、ボロネジ、サラトフ、チュメニ、カリーニングラード、ムルマンスク。
※5 「8項目の『協力プラン』」
2016年5月、ロシア南部のソチで開催された日露首脳会談において、安倍総理(当時)からプーチン大統領に対して、日露経済交流の促進に向け提示した、8つの項目からなる協力プラン。
※6 日露都市開発のモデル都市
ボロネジ、ウラジオストク、サンクトペテルブルクの3都市。

3.問い合わせ先

(本ニュースリリースの内容についての問い合わせ先)

NEDO 省エネルギー部 担当:皆川、小林 TEL:044-520-5284 E-mail:eec@ml.nedo.go.jp

(株)京三製作所 海外事業推進部
担当:田島、野滝 TEL:090-1463-2383 E-mail:t-tajima@kyosan.co.jp

(株)野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部
担当:玉岡、竹尾 TEL:03-5877-7100 E-mail:kouhou@nri.co.jp

(その他NEDO事業についての一般的な問い合わせ先)

NEDO 広報部 担当:鈴木(美)、坂本 TEL:044-520-5151 E-mail:nedo_press@ml.nedo.go.jp

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